学術書をデジタル化 日本の大学で初の試み

慶應義塾大学メディアセンターは、学術書のデジタル(電子書籍)化と特定利用者への提供を試みる実験プロジェクトを立ち上げた。今年12月15日から2012年3月31日まで実施する。
 著作権の残っている日本語の学術書を著者の承諾のもと、出版社と協力してデジタル化し、これらを閲覧・貸出できるサービスは、日本の大学では初めての試み。
 本実験プロジェクトでは約2000冊を目標に、図書館蔵書を中心とする人文・社会・自然科学系学術書をデジタル化。慶大に所属する学生や教職員を対象に閲覧・貸出を行う。
 メディアセンターの提供する資料のうち、新聞を除いて日本語の学術資料の電子版がほとんどなかったこれまでの状況を改善し、大学図書館で使える日本語の教育用電子学術書の利用促進を目指す。
 利用者は学習や研究などで使っている資料の一部を24時間、自宅からも利用できるようになる。また資料が貸出中で利用できないという状況も改善されるなど、電子書籍ならではのメリットを享受することができる。
 本実験プロジェクトの特徴は、大学図書館と学術出版社が共同で行うことにある。学術出版社からコンテンツの提供を受け、電子化とシステムを担当する会社の協力を得ながら、実際に学生や教職員が電子学術書を利用できるシステムを作る。
 また本実験プロジェクトでは、利用者からの反応と評価をもとに今後のデジタル化の方向性を探ることを目的としている。結果が好評であれば、本格的な導入も検討するという。