24時間営業のコンビニの存在により私たちは日常生活に必要なものをいつでもどこでも買える。コンビニだけでなく、街には長時間営業している施設でいっぱいだ

▼それに対し、例えば欧州では日曜日は多くの店舗が休業し、平日も夜遅くまでは営業しないことが多い

▼日本の消費者は、利便性が高く生活しやすい環境にあるといえる。一方で、長時間にわたり店舗の運営を担う責任者としての負担は重い。こうした違いはライフスタイルや労働慣習、サービス提供手法の違いに起因すると考えられる

▼近年では変化も出てきている。スペインでは14~17時に長い昼休みをとる伝統的慣習のシエスタによって、夜の勤務時間が長い傾向があったが、公務員のシエスタは既に廃止された。欧州統合によって北欧諸国の慣習に近づく動きがみられる

▼そうしたなか、日本ではシエスタを導入する企業もある。長時間労働者の多い日本にとって効率性を上げる糸口となるかもしれない

▼だが最終的な課題は、労働時間の短縮だ。長時間労働は、ワークライフバランスを崩し、晩婚化、少子化に拍車をかける。これを打破するためには、労働環境の抜本的整備が必要であろう。

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