10月30日に東京六大学野球秋季リーグで、慶大野球部は2021年秋以来、4季ぶりのリーグ優勝を果たした。今回は3回に分けて、優勝に大きく貢献した廣瀬隆太主将・外丸東眞投手・堀井哲也監督にインタビューをお送りする。優勝への想い、秋季リーグ・早慶戦の振り返りや今後の展望などを聞いた。

初回の今回は、主将・廣瀬隆太選手。東京六大学野球歴代3位タイとなる通算20本塁打を放った強打者だ。ドラフト会議では福岡ソフトバンクホークスからドラフト3位指名を受けた。今回は、大学野球4年間を振り返った感想、プロ野球への意気込みを聞いた。

※本インタビューが行われたのは、明治神宮大会前の11月15日。11月20日の神宮大会決勝で青山学院に勝利し見事日本一に輝いた。

 

―この秋季リーグを優勝した瞬間の率直な気持ちはどうでしたか。

新チームが始まった時にはこのチームで優勝するという未来があまり見えてなくて、でもその中でみんな1年間頑張ってくれて成長したからこその優勝だったのですごく嬉しかったです。

 

―早慶戦第3戦には見事な先制2ランHRを放ちましたが、その感触はどうでしたか。

感触的には、ほぼ完璧なホームランだったと思います。この1年間を通して、あまりチームに貢献できていなかったので最後の最後に今回の優勝に近づける一発を打てて嬉しかったです。

 

―早慶戦の3塁側慶應応援席から聞こえた応援はどうでしたか。

特に、早慶戦第3戦目の時に平日にも関わらず早稲田側と比べて慶應側に多くのお客さんが入っていたので、応援の差というのもあったのではないかと思います。

 

―廣瀬主将は慶應高校時代にも甲子園に出場された経験があるということで、今年は高校も大学も優勝を成し遂げましたが今回の優勝は自身にとって慶應で野球をしてきた集大成のような意味はあると思いますか。

集大成だと思いますし小学校の頃から早慶戦など応援しに行って、それが僕にとってはすごく憧れの存在だったので今このような立場になって子どもたちに夢を与えられるようなプレーをしたいというのがありました。その意味では4年間の集大成だと思うし、慶應のユニフォームを着てプレーするのはラストになるのでその集大成としてふさわしいと思います。

 

―大学4年間でプレーしてきた明治神宮野球場に対して、どのような印象や思い入れがありますか。

大学の4年間というのはすごく自分の野球人生が変わった時間だったので、やはりそれも神宮球場という素晴らしい環境で野球をやらせてもらったというおかげだと思うので、その意味で明治神宮野球場に思い入れがあります。また、大学最後の早慶戦第3戦で打ったホームランがやっぱり思い出に残っています。

 

キャプテンの証、10番を背負いチームの勝利に貢献し続けた

 

―主将としてどのようなチーム作りを目標にし、またそれは今回の優勝で達成できたでしょうか。

今年主将になって1番思ったことは、4年生が下級生を引っ張っていかないといけないということで、下級生のお手本になる目指すべき姿というのを4年生が示していかないといけないという風に感じていました。今年の春のリーグ戦の時にはそれがあまり達成できず、3位という悔しい結果に終わってしまってからその後4年生がチームを引っ張り続けてくれたことが今回の優勝という結果に繋がっていると思うので、その点は達成できたと思います。

 

―自分たちの代に続く新チームにはどのようなことを期待しますか。

主将も幹部も全然決まっていないので、正直どのようなチームになるかは分からないですが、やっぱり不安というのはあると思います。僕たちも本当に弱い世代だったので、その中でこのように成長していけば優勝できるという道筋を示していけたところがあると思うので、努力しているかどうかを追い求めて頑張ってほしいなと思います。

 

―大学野球を卒業してプロ野球の道へ進むことに関して、プロ野球との向き合い方について何か考えていますか。

プロ野球はクビになったら生活ができないという、その自己責任というか、覚悟という部分が厳しくなってくるのではないかと思います。

 

―プロ1年目の具体的な目標などありましたら教えてください。

そうですね、まずはシーズン開幕までは怪我をしないというのが第一目標かなと思います。その後に開幕1軍で戦力になれたらいいと考えています。

 

先日を行われたドラフト会議でのインタビューの様子

 

―いつからプロを目指し始めましたか。

プロを意識したのは高校2年生の頃です。本格的にプロを目指し、進路を一本に絞ったのは大学4年生です。

 

―憧れのプロ野球選手はいますか。

横浜DeNAベイスターズの牧秀吾選手と楽天の浅村栄斗選手です。打てる選手を目標にしています。

 

―11月15日から開催される明治神宮野球大会に六大学野球代表として出場しますが、意気込みをお願いします。

日本一をずっと目指してきて、リーグ優勝して満足している部員はいないと思うのでまた1から一戦必勝で日本一目指して頑張りたいと思います。

 

―最後にたくさんの応援を届けてくれた塾生にメッセージをお願いします。

早慶戦も含めて、リーグ戦の多くの応援ありがとうございました。明治神宮大会で優勝して日本一になるというのが我々の目標なので、そこに向けてまた頑張っていきたいと思います。引き続き応援よろしくお願いします。

 

(聞き手:片山大誠渡辺凜