「悔しさをバネに、後期で巻き返す」 

俊足を生かし、裏を狙う深澤(慶應スポーツ提供
俊足を生かし、裏を狙う深澤(慶應スポーツ提供

リーグ前半戦は振るわなかったものの、専大と中大に競り勝ち12年振りに手にした総理大臣杯の舞台。慶早定期戦の勝利で勢いに乗る慶大イレブンは全国大会の舞台に降り立った。
 1回戦で鹿屋体育大(九州代表)に5―1で大勝するが、続く2回戦では仙台大(東北代表)に2―3と惜敗。全国ベスト8という成績を収め、ソッカー部の前半戦を締めくくった。
 「もう一度全国の舞台に立つ」と三上主将(政4)は今大会の悔しさをバネに後期での巻き返しを誓った。
後半に課題が残るも圧巻の5得点で勝利
【慶大5―1鹿体大】
 前半の3得点で慶大は勝利を決定づける。しかし、点差の開いた後半に相手に付け入る隙を見せ、大勝ながら課題の残るゲームとなった。
 立ち上がりからFW河井(政3)を軸に鹿体大を翻弄する慶大は、前半16分、今季の武器であるスピードで均衡を破る。相手コーナーキックのボールを拾うと、裏へ飛び出したFW深澤(理4)へボールを繋ぐ。カウンターで相手を崩し、MF藤田(政2)がゴール右上へ叩き込んだ。これで完全に流れを掴んだ慶大は、前半の内に深澤とMF大塚(総3)が更に得点を奪う。
 三上主将が「次への課題」として語ったのが、後半の立ち上がりだ。攻撃的に出た鹿体大に押し込まれる展開が続き、前半の攻撃力が影を潜めてしまう。しかし、これを凌ぐと途中出場のMF日高(総3)のゴールと深澤の今試合2得点目により、5―1の大勝を収めた。
 「まだ甘い。上位進出を狙うにはボール回しなどを改善する必要がある」と李監督が語るように、特に後半において問題点が見つかった。後半では足が止まってしまう場面も見られ、1試合通じて集中力を保てなかった。これらの点がこれからの戦いの鍵となるだろう。
ミスから流れを逃しベスト8で散る
【慶大2―3仙台大】
 幸先良く先取点を奪うが、前半終了間際にミスから失点。後半には退場者も出し、流れを引き戻せずに敗れてしまった。
 1回戦の勢いそのままに、序盤から仙台大ゴールを脅かす慶大。前半28分には、相手のクリアミスを突き、MF横川(総4)がゴールを決める。しかし、流れが徐々に仙台大へと傾き始める。前半42分に自陣で相手にボールを奪われると、そのまま同点ゴールを決められ、前半が終了する。
 追加点を奪うべく後半立ち上がりから積極的な攻撃を仕掛ける慶大。しかし、勝ち越したのは仙台大だった。後半20分に、相手ゴールキックからペナルティエリアに侵入され失点。流れを取り戻したい慶大だったが、後半32分にMF藤田(政2)が2枚目の警告で退場。その3分後には、10人となった慶大の希望を打ち砕く3点目を仙台大に決められる。終了間際にMF大塚(総3)が得点を決め一矢報いるも、一歩及ばず終了のホイッスルが鳴り響いた。
 ミスから流れを逃したこの試合を「悔いが残る」と語った李監督。チャンスで決められないなど細かい部分で実力差を露呈し、「(全国の舞台で)自分たちの甘さを痛感した」という三上主将の言葉は危機感を滲ませていた。