三田祭初日となる11月23日。12時50分からメインステージで行われたのは、ロックバンドRaccoon Lagoonのライブだ。

ライブ開始前から多くの人々が詰めかけ、撮影のためにスマートフォンやカメラを握りしめた。

Raccoon Lagoonの登場とともに、彼らのオリジナル楽曲が客席を温めた。低音で唸るベース、心臓に響くドラム。ギターとキーボードがメロディーラインを華麗に彩る。ボーカルの若々しく伸びやかな歌声に来場者はみな勇気づけられた様子だった。プロ顔負けの演奏技術に驚かされる。

カバー曲としてはキタニタツヤ『青のすみか』を披露。人気楽曲とのこともあり、来場者も声を合わせた。

『TOUCH』を高らかに歌い上げるボーカル

三田祭では毎年オフィシャルソングが設定されている。慶大生からオリジナル楽曲を募集し、一般投票により決定する。

個性豊かな4曲から、特に多くの支持を集め、見事選ばれたのが彼らの『TORCH』。コロナウイルスによる様々な制約下でも「祭りを諦めない」熱い思いが高らかに叫ばれた。無力を覚えることもあったコロナ禍。しかし彼らの言う通り、「今日ここだけ 照らせばいい」。完成されたバンドサウンドは、三田祭の開催を心から祝福していているようだった。

約20分のステージを終え、慶大生らしい爽やかな笑顔で退場して行った。

飯田七菜子