慶應義塾の祖、福澤諭吉の墓は麻布山善福寺(港区元麻布)にある。麻布十番駅から出て閑静な街並みを抜けると、徒歩8分ほどで古風な門が見えてくる。門の奥にそびえたつ高層マンションとは対照的な本堂と高さ19メートルのイチョウが、歴史を感じさせる。福澤諭吉の墓は、本堂の左手にある山内墓地のなかに堂々とたたずんでおり、他の墓よりも広く土地が設けられている。妻の錦とともに眠る福澤の墓前には、好物の酒が供えられていた。

福澤は、品川区上大崎の常光寺に当初埋葬されていたが、昭和52年5月、菩提寺である善福寺に改葬された。善福寺の寺務長である麻布真弘さんによれば「塾生や塾員、慶應義塾の受験生などが、墓を訪れます。特に多くの人が訪れるのは、雪池忌(ゆきちき)と呼ばれる福澤諭吉の命日の2月3日です」

善福寺は慶大三田キャンパスから徒歩20分と、塾生も気軽に訪ねることができる場所にある。塾生として是非とも一度は訪れたいスポットだ。

(吉浦颯大)