《定年退職者インタビュー》法学部 赤木完爾教授

今年3月31日をもって、法学部の赤木完爾教授が退職する。そこで、現在の心境やこれまでの教授生活について、話を聞いた。

 

現在の心境

この10年間ほど、慶應義塾の中で教育関係以外のさまざまなポストについており、忙しい日々を送っていましたので、一段落ついてほっとしています。また、平成の30年間ずっと慶大で教えていたため、とても感慨深い気持ちです。

 

専門分野について

私は国際政治を専門としていて、実際に担当していた授業名で表すと、「現代国際政治」と「安全保障論」というものになります。「現代国際政治」では、主にアメリカの冷戦外交史・軍事史をテーマに授業を行っていました。「安全保障論」では、歴史的な視点から、現在につながるような安全保障の問題を多角的に研究していました。

 

国際政治の面白さ

国際政治の面白さは、「国内の政治とは全く違った原理で動いている」ということに尽きると思います。この世界は、日常の生活では全く想像つかないようなものであり、そういう意味では、現代の日本人にとってあまりなじみのない分野といえるかもしれません。

 

今の慶大、そして塾生に抱くイメージ

女子学生の人数が増えたように感じます。かつては、ほとんどの学部で女子学生が在籍していませんでした。法学部の語学の授業では、あまりにも女子学生が少なかったため、一つのクラスに女子学生を集めていたこともありました。

また、今の学生と比べ、昔の学生の方が大人びていたように感じます。ただ、今も昔も学生たちが優秀であることに変わりはなく、本質的な部分はあまり変わっていないのでは、とも感じています。

 

塾生へのメッセージ

現代の世の中には怪しいフェイクニュースがたくさん飛び交っています。その中で、「目の前にある情報が正しいか正しくないか、見極める力」というものを、さまざまな方法で培ってほしいと思います。

良い成績をとるためだけに勉強するのではなく、「この人が言っていることは本当なのだろうか」というのを自分で考え、判断する力を養えるのは、大学生の今でしょう。国際政治を教えていた人間として、これは塾生に伝えたいメッセージです。

また、「個の確立」ということも大事だと思います。独りよがりになるということではなく、いろいろな人から意見を聞き情報を仕入れるけれども、最後は「自分」で考えて判断するべき、ということです。このようにして、自分自身の意見を明確にすることができたならば、それは「個の確立」であり、望ましい学生像といえるでしょう。

(浅川力哉)