リーグ制覇の夢が途絶えた慶大はインカレ出場に向けて、正念場を迎えている。後期の慶大はこれで2勝4分3敗の6位につけているが、総失点は36と国士大に次いで多く、前期からの課題はいまだに解消されない。残された時間はあと僅か、現状に落ち込んでいる暇はない。

第18節の対戦相手は明大。リーグ戦10連勝中と波に乗り首位を走るチームだ。前半は一進一退の攻防が続く。慶大は前線からのプレスで相手の攻撃を許さず、明大は長短織り交ぜたパスサッカーを披露する。すると前半15分、フリーキックのこぼれ球をMF田中健(法3)が押し込み慶大は先制に成功する。しかし、その後明大の反撃にあう。28分に同点とされると、終了間際の45分には逆転を許した。後半は両チームともに好機を作ったが、共に最後まで決めきることはできずに試合はこのまま終了。明大が2-1で勝利し、リーグ戦11連勝で史上最速で優勝を決めた。慶大は後半に訪れた再三の決定機を決めきれず、これにより4試合勝利無しとなった。

第19節はリーグ5位の法大との対戦。試合が動いたのは前半25分。慶大はコーナーキックのこぼれ球を決められ先制を許す。早めに追いつきたい慶大は、立て続けにチャンスを作るも、得点を奪うことはできない。すると後半18分、相手のカウンターから追加点を奪われてしまい、早めに追いつきたい慶大だったが痛恨の失点を許す。

しかし慶大はFW小谷(環2)がペナルティーエリア深くまで切り裂くと、相手DFのファウルを誘いPKのチャンスを得る。反撃へ絶好のチャンスを得た慶大はFW山本哲(政4)が確実に決めて1点を返す。ここから慶大の猛攻は始まる。42分、MF手塚(環3)が右サイドを崩すとFW松木(総2)が反応し、土壇場で同点に追いつく。このまま2-2で試合を終えた慶大は、法大から勝ち点1を挙げた。

第20節は早大との対戦。インカレ出場のためにもこの因縁の対決では是非とも勝利が欲しいところだ。試合は序盤、右サイドからのクロスにFW渡辺夏(総3)が合わせ前半9分に慶大が先制に成功。その後は一進一退の攻防が続くが24分にDF宮地(総4)が追加点をもぎ取り、完全に試合の主導権を奪取した。攻撃の手を緩めない慶大はさらに33分、MF松木が3点目を叩き込み試合を決定付けた。

その後、前半終了間際に失点を許し3-1とし後半は攻め込まれる時間が続くが、序盤のリードを守りきり試合はそのまま終了。慶大はこの勝利によってインカレ出場に大きく前進することとなった。
(長谷川裕一)