11月29日から12月7日にかけて代々木第二体育館などで行われた第60回全日本大学バスケットボール選手権で、関東7位として出場した慶大は4年ぶり7回目の優勝を達成した。慶大は同大会ベスト8以上が出場できる第84回全日本バスケットボール大会に出場する。大会MVPには主将の鈴木(法4)が選ばれた。 
(阪本梨紗子・金武幸宏)

 

▼一回戦
格下相手に圧倒 前半で大勢決す

【慶大107―73北海学園大】
 初戦の相手は北海学園大。慶大は終始、試合を優位に進め、相手を圧倒した。
 立ち上がり、田上(環3)がファウルをもらい、フリースローで先制すると、続けて岩下(総2)が豪快なダンクを決め、一気に試合の流れを引き寄せる。その後は北海学園大に付け入る隙を与えず、前半で34点の大量リードを奪い、早々に勝利を決めた。

 

▼二回戦
鈴木がリズム生む 逃げ切りベスト8

【慶大100―80早大】
 この日の慶大は、宿敵早大に対し臆することなく、「先行逃げ切り」で2勝目を収めた。
 序盤、鈴木・二ノ宮(環2)の連続3Pなどで得点を重ね、1Qで30―11とする。一方の早大は、試合を通して持ち味を出すことができず、慶大の猛攻の前に沈黙。最後は慶大が20点差で勝利した。
 「鈴木の最初のシュートがチーム全体に流れを生んだ」と佐々木ヘッドコーチ(HC)は語った。

 

▼三回戦
2年生が活躍 関西の雄下す

【慶大87―75天理大】
【慶大87―75天理大】
 インカレ準々決勝。相手は、関西1位の天理大。
 終始、両者譲らない試合運びであった。慶大は、天理大の根来の連続得点に苦しめられる場面もあった。しかし、サンバとのマッチアップを制した岩下や、スティールからのアシストを決めた二ノ宮(環2)、積極的にドライブを仕掛けた田上の活躍があり、最後は酒井(環2)の連続3Pで慶大は接戦を制した。
▼田上 本当にタツ(岩下)が頑張ってくれて。あいつもあんなに背の高い選手とやることがないんで、(サンバとのマッチアップを)楽しんでいたんじゃないかなと思います。

 

▼準決勝
強敵に走り勝ち 2年ぶり決勝へ

【慶大99―67専大】
 準決勝の相手は関東3位の専大(慶大は関東7位)。苦戦を強いられることが予想されたが、慶大はこの日も持ち前の速い展開で試合の主導権を掌握。ワンサイドゲームに持ち込み、決勝進出を決めた。
 前半、小林(総3)や二ノ宮が立て続けに3Pを決め、専大を翻弄。加えて岩下のシュートブロックも光り、52―37の大差で試合を折り返す。
 後半に入っても慶大の勢いは衰えず、田上、鈴木のシュートなどでさらに点差を広げる。4Qには控えの選手も登場。余力を残しての勝利となった。
 「トランジョンが機能したことが勝因。田上、鈴木がよく走ってくれた」と佐々木HCは語った。
 決勝の相手は、並み居る強豪を破って波に乗る国士舘大。慶大のモットーである「走るバスケットボール」をいかに展開するかが鍵となるだろう。

 

▼決勝戦
初の2部決戦 31点差の大勝

【慶大104―73国士舘大】
 前代未聞の2部リーグ同士の決勝戦。法大、青学大を倒し、勢いに乗る国士舘大に対し、慶大は得意のオールコートバスケットで挑んだ。
 序盤、国士舘大の馬が外から3Pを決め、慶大のリズムを崩す。それでも田上のミドルシュートや、小林のペネトレイトで応戦。一進一退の攻防が続き、1Qを21―21の同点で終える。
 ここで、佐々木HCは馬のマッチアップを岩下から田上に変更。これが功を奏し、国士舘大の攻撃が止まる。すかさず小林、岩下が得点を重ね、試合の流れを引き寄せた。
 後半は、馬や立花が積極的に攻める場面がありながらも、慶大ペースは変わらず、徐々に点差は開いていく。4Qには前半マッチアップに苦しめられた岩下が勢いを取り戻し、シュートブロックやダンクを決め、最後は31点差をつけてインカレ優勝を決めた。
 今大会MVPに輝いた鈴木は、「これまでの15年間のバスケ人生で得たものをぶつける思いで臨んだ。すごくうれしい」と優勝の喜びを語った。