ラグビーマネージャー部員最高のプレーを引き出す根強い努力

表舞台で活躍する人がいるなら、裏で陰ながら彼らを支える人が必要だ。体育会のマネージャーこそ、まさにその鑑である。舞台裏の仕事を覗いてみようと、今回は体育会蹴球部女子マネージャーたちに話を聞いた。

蹴球部の女子マネージャーは、各学年2人ずつの計8人から成る。蹴球部との出会いはさまざまだが、運命に導かれマネージャーとなった彼女たちは、一つのチームとして団結している。

彼女たちの日常的な仕事は、部員の栄養管理と経理で、それぞれを分担して行っている。栄養管理の仕事では、ラグビー選手に必要なカロリーと栄養素を満たした食事メニューを管理栄養士とともに考えている。経理の仕事は、月ごとの決算や部費の徴収など、金銭管理に関すること全てを担当する。

また、試合での観客の動員方法を考えるのも、彼女たちの仕事だ。より多くの学生を集客すべく、さまざまな広報活動に力を入れている。23日に行われた早大との試合では、学生券を購入した学生に応援Tシャツやラグビーマニュアルを配布するキャンペーンを実施した。蹴球部の試合情報などは、部のホームページだけでなくフェイスブックからも確認できる。また、試合会場で販売されている「イヤーブック」と呼ばれるガイドブックの編集も彼女たちが行った。蹴球部やラグビーというスポーツ自体を好きになってもらうための方策を日々模索している。

決して華やかとは言えない大変な仕事だが、その分のやりがいは大きいという。伝統的な、黒と黄色のしま模様の試合用ユニフォームやラグビーパンツ、靴下にまで気を配っている。小さなほつれであっても、競技の邪魔になるものは見逃さない。部員たちが常に最高の状態でプレーできる環境を作ることが、彼女たちの仕事なのだ。そのような細やかな配慮や努力は、部員にはあまり知られていない。それでも、気付いている部員から感謝の言葉を言われると、地道な作業でもやっていてよかったと嬉しさがこみ上げるという。

女子マネージャーの間で代々受け継がれ、共通認識となっている言葉がある。それは、「花となるより根となろう」だ。根は外から見えるわけではないが、根が完璧な状態になって初めて花が綺麗に咲く。試合に出るわけではないが不可欠な存在、それがマネージャーなのだ。

「蹴球部に入部してよかった」と笑顔で頷く彼女たちは、時には戦友、時には母のような存在として、これからも部員を支え続ける。  (高畑里佳子)