日中韓の3カ国の大学生が集まり、一つの目標に向け真剣に取り組んでいる場がある。学生団体OVALは、日中韓合同の国際ビジネスコンテストを企画・運営する団体。慶應義塾を初めとする日本の大学(一橋大学、東京大学、早稲田大学など)に在籍する日本の学生や、中国・韓国の学生が210名ほど所属している。

OVALの活動は、3カ国ごとに5つのセクション(渉外・広報・など)に分かれて行われている。3カ国の学生が一度に集まる機会は普段あまりないが、2月16日から26日にかけて行われた「Staff Exchange program」では、各国のスタッフが東京に集まり、直接的な交流をはかった。これまでの活動や今後の取り組みについて話し合うこのプログラムでは、真剣な意見が絶えず飛び交っていた。

ほかの国際交流団体にはないOVALの魅力は、アジアの中での自分たちの立ち位置を知ることができる点だと代表を務める三林尚平さん(総2)のいう。中国、韓国は日本の隣国であるが、想像以上に理解していない点が多い。しかし今回のプログラムのように議論を重ねることで、互いの文化を知り、ビジネスにおけるさまざまな考え方に触れることが出来る。これらは団体のビジョンでもある「日中韓での国際的な協働体験の提供」に繋がっている。またOVALはコンテストを企画・運営する側にあるので、コンテストに参加する学生をもてなすという気持ちも養えられるという。

このほかにも、コンテストにおける使用言語は英語なので、語学力の向上や国際的な視野・ネットワークを持つこともできる点も魅力の一つだ。語学の面で苦労することはもちろんあるが、国籍を問わない一生の友達も出来る。韓国の延世大学に通うヒョン・スーヨンさんや、中国の対外経済貿易大学に通うシャオ・ウィー・チャングさんもポスターやHPなどからOVALを知り、所属することを決めた。PRスタッフとして活動する2人だが、今では違う国籍の友達が増え、さまざまな文化の違いを感じながら活動していくことにやりがいを感じていると言う。

そんなOVALが主催する今年のビジネスコンテストは、8月9日から18日にかけてソウルで開催される。団体ミッションでもある「東アジアの発のグローバルリーダーの輩出」に向け、これからもOVALの活動は続いていく。  (藤浦理緒)