第37回総理大臣杯の初戦、慶大は関西第4代表の関学大と対戦し、惜しくも2―3で敗れた。

前半5分にMF加瀬澤(総1)のゴールで先制し、主導権を握った慶大。その後も関学大のプレスをかわしてボールを回し続け、チャンスを演出していく。しかし前半19分、相手コーナーキックの処理を誤り、失点を喫すると慶大に勢いがなくなり、徐々に関学大がペースを掴む。ボールはペナルティエリア手前まで運ぶことができるものの、ゴールを割ることができず、関学大のカウンターを受ける場面が増えていく。前半33分には相手FWのドリブル突破を防ぎきれず、逆転を許す。

後半に入ってDF溝渕(環1)、DF豊川(総1)を投入し、状況の打開を図る。その後、流れが変わらないとみると、終盤には長身のFW平戸(法3)を投入し、ロングボールを使って関学大ゴールに迫る。すると後半39分、DF山田(総2)のクロスに豊川が合わせ、試合を振り出しに戻す。逆転を狙い、攻勢を強めた慶大だったが、前がかりになった隙を突かれ、再び関学大に勝ち越し点を与えてしまう。これが決勝点となり2―3で試合は終了。2年ぶりの全国の舞台は初戦敗退という結果に終わった。

日本一を目指して臨んだ今大会だったが、その目標は全国の厚い壁に阻まれた。

エースのMF武藤(経3)不在の影響が懸念された攻撃陣だったが、加瀬澤やFW山本(法1)ら新戦力が穴を埋め、全国の強豪相手に質の高い攻撃を見せた。特に加瀬澤は武藤にも劣らないシュート力を持ち、先制点を決める活躍を挙げた。

課題が多く残ったのは守備面だ。ボールを奪われてから守備への切り替えが遅く、カウンターでピンチを迎えるシーンが多かった。また、失点後に浮足立ったのか、最終ライン付近でのパスミスも目立った。そのため前線の選手へのボールの供給が上手くいかずに試合中盤から攻撃が手詰まりとなってしまった。

チーム全体の経験不足は明らかだ。克服していくためには、経験豊富な4年生の奮起が必要だと考えられる。関学大戦で先発出場した4年は主将の松下(総4)のみ。スタメン争いに加わる4年が増えれば、チームに活気が生まれる。最終学年としての意地を見せてほしいところだ。