順大戦で2ゴールを挙げたFW端山(総2)

再び降格圏に転落 守備崩壊し、6失点

第37回総理大臣杯に1回戦シードで出場した慶大は2回戦で関学大と対戦。終盤に粘りを見せたが、2―3で惜敗。その後多くの合宿や遠征を行い、9月4日に第87回関東大学サッカーリーグの後半戦が開幕した。初戦に予定されていた筑波大戦が延期となり、11日に順大と対戦。慶大は守備が崩壊し、2―6の大敗を喫した。チームは降格圏の11位に沈んだ。(木下俊亮)

順大戦 ●2―6 ミス連発し勝機逃す

の4連敗で一時は単独最下位に沈んだ慶大。しかし、第6節の国士大戦でようやく初勝利を飾る。その後の3試合を2勝1敗で終え、なんとか8位まで順位を引き上げた。ここまで苦戦した理由には失点の多さが挙げられる。前半戦の9試合で20失点は12チーム中最多。また、相手に先制される展開が多かったことも理由の一つと考えられる。この課題を克服するため、夏の合宿で「守備を重点的に鍛えてきた」(須田監督)という慶大。プロチームとのテストマッチで1―1と結果も出した。

総理大臣杯では叶わなかった悲願の日本一を目指すために、まずはインカレ出場権が与えられるリーグ戦4位以内に入らなければならない。前期終了時点で慶大と4位の中大との勝ち点差は5。後期の13試合で十分逆転可能な数字だ。

しかし、順位表の上だけを気にしてはいられない。降格圏のチームとの勝ち点差もたったの4。残留争いに巻き込まれないように格下相手であっても決して油断できない戦いが続く。そのためにも開幕からスタートダッシュをかけたいところだ。

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後期初戦は順大と対戦。前半はリードして終えたが、後半、守備が崩れ5失点。2―6の大敗を喫した。

前半10、25分にFW端山(総2)が得点し、試合の主導権を握る。その後も巧みなパスワークと裏をとる動きで次々とチャンスを演出。終了間際に1点を返されるがいい形で試合を折り返す。

だが、後半に入ると順大が対応力を発揮。徐々に慶大のパスを読まれ、危険な場面が多くなる。後半4分と17分に得点され、逆転を許すと慶大は完全に勢いを失う。最終ラインが相手のプレスに苦しみ、ミスを連発。後半28分にゴールに近い位置でボールを奪われ、簡単に追加点を与えてしまう。集中が切れた慶大は後半43分にセットプレーからも失点。後半45分には直接フリーキックで6点目を献上し、そのまま試合は終了。後半戦も黒星スタートとなった。

敗因には最終ラインでのパス回しが相手のプレッシャーに対応できなかったことが挙げられる。ゴールキックなどのセットプレーがほぼすべてショートパスであることを読まれていた。順大が最終ラインへのプレスに人数をかけていることを逆手にとってロングボールを効果的に使うことができていれば、ここまで点差が開くことはなかったはずだ。

夏に取り組んできた成果を上手く発揮できなかった。また、後方からの組み立てができず、攻撃が機能不全に陥ってしまった。「ミスによる失点がほとんどだっただけに非常にもったいない試合だった」と主将の松下(総4)は悔しさを口にした。