薬学部や理工学部、医学部の教員9人の不正経理によるアッベ科学株式会社(破産手続き中)への「預け金」が2440万円以上あったことが慶大の調べで分かった。預け金には文科省からの研究費なども含み、慶大は返金を検討している。

業者へ一定金額を一時的にプールさせる預け金は使途のチェックが困難で、慶大は、約60大学で預け金があったとする朝日新聞の昨年7月の報道を受け、調査していた。薬学部の教授ら8人、医学部助手の計9教員による預け金が判明した。理工学部では、意図せず預け金となったものがあった。

預け金の期間は、2001年3月31日から2007年3月31日までの6年間で、合計金額は2440万円を超えた。使途は教育研究に関する備品で、私的流用はなかったとしている。

慶大は1月24日付で薬学部の教授や准教授3人をけん責処分とした。責任の度合いが低いとして薬学部の専任講師、准教授2人は厳重注意とし、助教授1人は不問。すでに退職していた薬学部、医学部の教員の処分は見送られた。

発覚後、全キャンパスで委託業務も含めて全品納品検収することで再発防止策とした。