【喊声】9月号

 150年前、進化論を公表した英国の博物学者チャールズ・ダーウィンは有名な言葉を残している。「最も強い者が生き残るのでなく、最も賢い者が生き延びるでもない。唯一生き残るのは、変化できるものである」

▼今年で創立150年を迎える慶應義塾も、「変化」することこそが、150年の歴史のなかでの「伝統」といえるかもしれない。日吉の景観が大きく変わった。創立150年事業の一環として工事を進めていた協生館が竣工を迎えたのだ。日吉駅から見ると、地上7階建て、延べ面積3万8000平方㍍の大きな建物が聳え立つ

▼来年の春には、第4校舎の綱島街道側に、新教育棟が竣工する予定だ。この建物には利便性を見込んで綱島街道と平行した通路からの入り口も設定されるという。その通路口からキャンパスに入ると、日吉の象徴である銀杏並木を歩く学生が減る懸念がある

▼駅とキャンパスを繋ぐ銀杏並木は、日本人が大切にしてきた「間」の役割を果たしていると思うだけに、省いてほしくない場所だ。大きな変化に適応するだけでなく、銀杏並木にみる小さな季節の変化にも留保する心を持っていただきたい。

(菅野香保里)