2022年11月21日14時50分、三田祭はメインステージにてアカペラサークル、WALKMENによる『アカペラ公演』が行われた。今回アカペラを披露するのは4グループ、肴、DiARY,、 寿ファンファーレ , そしておりがみである。

開演前には1組目の「肴」が登場し、観客席はざわつく。会場には熱気が漂っていたが、ポーズをとりながら写真を撮影するなど、メンバーのリラックスした様子も見られた。

肴「アルクアラウンド」

サカナクションのナンバーをうたう肴は、披露する楽曲のイメージに合った黒を基調としたスタイリッシュな出立ちで登場。代表曲「アルクアラウンド」と、アップテンポな「Aoi」を、ステージに響かせた。

DiARY, 「Hikari」

続いてアースカラーの落ち着いた衣装で統一した「DiARY,」がステージに立つ。メロウなバラード、あたらよの「嘘つき」を披露した後、「暗闇の中、不安に押しつぶされそうなときに手を差し伸べてくれそうな曲」としてandropの「Hikari」を披露した。ストリングスのピチカート弾きを思わせるボイスパーカッションを軸に展開した。

(ストリングス:バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスの4つの弦楽器の総称)

(ピチカート弾き:弦楽器を弓ではなく指ではじいた演奏すること)

寿ファンファーレ「きらきら武士」

3組目はカラフルな衣装に身を包んだ「寿ファンファーレ」が登場。メンバー全員が曲のイメージと合致する個性豊かな歌声で、レキシの「牛シャウト!」、「SHIKIBU」、「きらきら武士」を高らかに歌い上げた。コミカルにして魂のこもった楽曲を表現したステージは、会場を大いに沸かせた。

おりがみ「音楽のすゝめ」

トリを飾ったのは、4年生のみで構成された「おりがみ」。パワフルな声量で、日食なつこの「うつろぶね」、「ダンツァーレ」を会場中にとどろかせた。高揚感あふれるラストナンバー「音楽のすゝめ」をこの日一番の高音で歌い上げ、ステージを締めくくった。

 

公演終了後、代表の武知直哉さん(理2)に公演に込めた思いを聞いた。「一般の方が来るのが3年ぶりで、いろんな方々が来てくださった。自分たちのやっているアカペラがどういうものなのか、そして自分たちの魅力を、歌で表現しようと頑張りました。お客さんの手拍子もあり、自分たちも楽しめて歌えて嬉しかった」と満足げに語った。「アカペラはあまり世の中で周知されていない部分も多くある。大会などもあるので、いろいろな人に知ってもらえるように、精一杯結果を残せるように頑張っています」と今後の抱負を語った。

 

アカペラによる歌唱に楽器演奏はない。あまりにも洗練された、高密度な歌声に楽器が入り込む余地はないからだ。その圧巻の歌唱力と歌声だけで一つの音楽を完成させる情熱は、観客の心を震わせたに違いない。

(王駿・埴田悠智)