東VS西対極の2人が織りなす漫才「1個1個勝つために面白くなるしかない」ひつじねいりインタビュー

マセキ芸能社所属、2019年結成、細田祥平さん・松村祥維さんからなる、ひつじねいり。ボケの細田さんは慶大経済学部を卒業した塾員だ。お笑いライブシーンで活躍するひつじねいりの2人に話を聞いた。

ボケ 細田祥平さん(写真左)・ツッコミ 松村祥維さん(写真右)

ひつじねいりの大学時代

――大学在籍時はどんな学生でしたか?

松村:サークルにいくつも入って、死ぬほどバイトもしていました。フットサル、バレーボール、イベントサークルを掛け持ちして、友達がめちゃくちゃ多かったです。えげつない体力で動いていましたね。

細田:僕はO-keis(慶應義塾公認学生団体お笑い道場O-keis)というお笑いサークルにいまして、それが楽しかったですね。

――O-keisでは代表をやられた?

細田:男7人くらいしかいなかったので、消去法でなりました(笑)

――1番の思い出に残っている出来事は何ですか?

細田:大学芸会(国民的大学生芸人グランプリ・現NOROSHI)に今の真空ジェシカ川北さんとかストレッチーズと一緒に出て、優勝したのが1番の思い出ですね。

漫才とひつじねいり

――ひつじねいり結成のきっかけは?

細田:ほんと漫才がしたくて。松村との接点は前のコンビでライブが被るくらいでした。芸人同士でルームシェアしている僕の家の同居人に『コバ』ってやつがいるんですけど、松村が遊びに来た時に「コバはん、失礼します」ってえげつない関西弁で。そこからですね。

――漫才とはどういう存在ですか?

細田:名刺代わり。「ネタ面白い人」と思われたいので、一旦漫才で世に出たいです。

松村:僕はおしゃべりが好きなんで、漫才がおしゃべりのツールで、自己表現の場ぐらいの感じです。

――松村さんは舞台上以外もおしゃべりなんですか?

細田:しゃべってますねー。

松村:ほんまに楽屋でもずっとしゃべってます。

細田:衣装を着替えるのが誰よりも遅いです。

――ネタはどのように作るのですか?

細田:案は僕が持っていって、ふたりで話し合います。

松村:持ってきてもらった発想は、全部おもろいと思うんですけど、細田って喋るのが多分上手じゃないんですよ。「普通のコミュニケーションでこんなん言う?」っていう不自然なところを正すのが僕っていう役割分担です。

――コンビ間のルールはありますか?

2人:なんやろ………

細田:人を嫌な気持ちにしない。

松村:犯罪はしない。
他のコンビがどんなんか分からないですけど、うちってほんまにネタのこと以外あんまり絡まないんですよ。漫才やるから会うてるくらいの感じです。

細田:悲しい…。インタビュアーに悲しい思いをさせてる。

松村:逆にルールっていう意味では漫才があるから。

細田:頭良い学校の方が校則少ないっていう解釈でいきますか!

月に約30本のお笑いライブに出演するひつじねいり。

近年注目を浴びるひつじねいり

――現状をどう見ていますか?

松村:メディアも何も増えてないので、こっち側は何も変わってないんですよね。結成して年数が経って、徐々に知ってくれてる人が増えてる気はします。
とはいえ「これはいけるなあ」っていう手ごたえは全然無いです。ひつじねいりに波感じます?
ライブはかなりありがたいことに笑っていただけたりするんですけど、そこをどう突き破って先に行くかで、今ずっと詰まっているところです。オーディション落ち続けてるんで……。

――そうなんですか!?M-1一筋のイメージがあります。

細田:全然。全部出たいんですけど、受からないんで、M-1で行く面をしています。

松村:そうです。M-1しかギリ戦える場所が残ってないんです。

細田:TikTokでも行けるなら。

松村:全然テレビ出たいです!

マセキ芸能社の事務所ライブ『ネモフィラブルー』に毎月出演中。

1番面白い漫才師を決めるM-1グランプリ

M-1グランプリ2022に挑戦するひつじねいり。現在、3回戦を勝ち進み、準々決勝に進出した。8月2日、ひつじねいりは1回戦を1位で通過した。

――今年の意気込みは?

細田:結果よりは、自分がちゃんとおもしろくなって挑めているかの方が最近は課題だなと思っています。1位も期待しなかった分、たまたま力が抜けて良かったのかもしれません。もしM-1が良くて、テレビに出れるようになった時に戦えるかを考えてやる方が大事なのかなと。

松村:でも結局、そこを頑張らないとM-1の結果も出ないので。1個1個勝つために面白くなるしかないです。

11/13(日)東京・ルミネtheよしもとにてM-1グランプリ2022準々決勝に出場予定。

11月20日から23日、第64回三田祭開催

――学園祭の思い出はありますか?

松村:1番は、当時世の中で初の「出会い系の出店」やったんですよ。学生同士の恋愛を促すマッチングアプリの先駆けです(笑)。同じ色の風船持ってたら連絡先交換するみたいな。風船1個1000円とかで売って儲けて。めっちゃ楽しかったです。大学ってやんちゃしてなんぼだと思ってたんで、全部やりました!

――やり切りましたか?

松村:全て出来ひんかったからこそ、今まだ残ってしまっているところありますよね。当時やり切っていればどうなっていたか…。

細田:残り火でやってる。

松村:すいません、残り火でお笑いやってますわ。

細田:O-keisは三田祭で200~300人キャパの大教室でサークルライブをやっていました。お客さんに5点満点でアンケートとるんですよ。それに一喜一憂していました。今思えばそんなんじゃなく、帰っていくお客さんをどうナンパするか考えれば良かったです(笑)。

――ひつじねいり結成後も、三田祭にゲスト出演されていますが、印象に残っていることはありますか?

松村:ウケた記憶がないですね。

細田:肩身狭くなりながら、人ごみをかき分けて帰りました。

――三田キャンパス周辺のおすすめスポットは?

細田:田町の飲み屋街は行きますね。居酒屋『鉄火』は肉がうまくて好きです。

松村:おいしいお店は好きでチェックして行きます。『むらさき山』っていうラーメン屋さんや、『ホルモンまさる』もおいしかったです。

お笑いサークルO-keisの三田祭ライブは今年、3年ぶりにOBOGがゲスト出演するようだ。

慶應義塾大学出身の細田さんと、立命館大学出身の松村さん

――大学受験の思い出は何ですか?

細田:過去問も単語帳も英文も全部暗記の脳筋スタイルでした。

松村:僕は恋愛でむちゃくちゃになりました。現役の頃は彼女がいて、彼女も僕も浪人するから「一緒に頑張っていこう」という矢先フラレました。浪人時代には好きな子ができてしまって、予備校でほとんど勉強した記憶が無いです。

細田:そんなことより暗記です。

松村:恋愛は止めといた方が良いかもしれないです。でも大事なことではあると伝えたいですね。

――慶大に入って良かったと感じることは?

細田:「遊んでる」大学生って悪い意味で捉えられますけど、真剣に遊んでる人がいっぱいいて。いかにモテるか、いかに盛り上がるイベントをやるか。そのために頑張るってすごい大事で、色んな頑張り方が世の中にあるなと思いました。

ひつじねいりのこれから

――おふたりの将来の目標は?

細田:将来より今をどうにかという感じです。お笑いの稼ぎを増やして、後輩に奢りたいですね。いつまで先輩に奢ってもらってるんだろうと思います。

松村:死ぬほど売れて、死ぬほどモテたいというのはありますね。巨人の坂本くらいモテたいです!

――ライバルの芸人さんは?

細田:うーん……。ヒコロヒーさん……。
「誰々っぽい」って言われないので、被っている人があんまいないのかもしれないです。滝音のさすけさんの一人称が「あたし」で、松村もたまに「あたし」を使うので、いつか「あたし」の商標登録で戦いが起こるのかな(笑)。

松村:意識しているのはダイアンの津田さんですね。ダイアンさんは、大阪いる時からずっと好きで、未だに唯一ラジオを聞くくらい大好きです。自分が影響を受けすぎているので、世に出て行った時に「絶対この人と戦って、勝たなあかん」と思っています。自分の師匠みたいな感じです。

――塾生にメッセージをお願いします。

細田:三田二郎(ラーメン二郎 三田本店)に行っておいた方が良いです。三田に通う者として、たくさん食べられるうちに二郎に行って、語れるようになってもらいたいです。

松村:いっぱい遊んどいてください!好きな子と遊ぶために頑張るエネルギーって大事なパワーなので、それを発揮する訓練をしておいた方が良いです。「あの時あんだけ頑張れた」っていう体験や力は後の人生に必ず活きると思います。

――ありがとうございました!

細田:すいません、あの、ライバルのところ、Creepy Nutsって書いといてください(笑)


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(高橋明日香)