6月2日、文化団体連盟に所属する慶應義塾大学混声合唱団楽友会(以下、楽友会)は学生部と體育會に対して意見書を提出した。

この意見書は、「サークルの対面活動を行う条件として、大会・イベントなどが外部団体主催であるかが過度に重視されることで、体育会にとっての試合に相当する自主自律的な学生主催活動を活動の主軸とする多くのサークルが活動できなくなっており、体育会とその他の学生団体で活動量に大きな差が生まれてしまっている」という点を不平等であると指摘した上で、このような学生団体間の不平等な状態を是正し、現時点で判断されていない6月20日までの活動可否についての平等な審査を要求するものである。

これを受けて慶應塾生新聞会は、このような意見書を提出するに至った経緯を楽友会の役員にインタビューを行った。

―今回、意見書を提出しようと思ったきっかけはなんですか?

私たちのような合唱サークルは、対面での活動が主軸であり、緊急事態宣言下でのオンラインのみでの活動に不十分さを感じていました。そんな中、キャンパスへ足を伸ばすと、体育会の人たちが活動している姿が目に入りました。どうして彼らが活動できているのか、それを探るべく緊急事態宣言中における学生団体の活動について定める規定を調べてみたところ、体育会とその他のサークルでは活動可能な範囲が大きく異なり、かなり不平等な規定となっていることが分かりました。こんな状況が春学期の間中強いられるのは許されることではないと思い立ち、今回の意見書を提出するに至った次第です。

―ツイッターを通じて意見書を提出することを表明した際、どのような反響がありましたか?

かなりの数のいいねやリツイートが寄せられ、2021年6月3日現在で、1700を超えるいいねと600を超えるRTがあり、インプレッション(ツイートが見られた回数)は46万回を超えました。さまざまなサークルに意見書への連名を呼び掛けていましたが、お声がけできていなかったサークルの方からもご連絡いただくことがありました。

―慶大生に伝えたいことはありますか?

まず始めに、今回の意見書に賛同・連名してくださったサークルの皆さんには感謝の言葉を申し上げたいです。そして、これだけは言っておきたいのが、私たちは決して対面で活動できている体育会が妬ましい、許せない、というような気持ちで意見書を提出するわけではない、ということです。つまり、あくまで不平等状態の是正に主眼があることを改めてお伝えしたいと思います。現段階で、多くのサークルが不平等な規定によって「死にかけている」状態なので、今回の意見書が様々なサークルにとって、息を吹き返すきっかけになることを願っております。

 

今回の意見書が大学による感染症対策に一石を投じ、満足な活動ができずにいる多くのサークルが息を吹き返すきっかけになるのか、私たちは学生部の対応を含めた今後の動きを注視していく必要がある。

 

(石田裕大)