慶大卒業生(塾員)の強い団結力を支えてきた同窓会組織・三田会。そのひとつに、塾員の交流の場を提供する会員制クラブ「東京三田倶楽部(以下、三田倶楽部)」がある。飲食のできる施設を備えた唯一の三田会として、帝国ホテル東京の地下に所在するが、その存在は塾生にはあまり知られていない。三田倶楽部の内情について、代表の大島清和さん・副代表の熊谷聡史さん・事務局長の畠山一郎さんに話を聞いた。

東京三田倶楽部代表 大島清和さん(右)・副代表熊谷聡史さん(左)

「東京三田倶楽部は、『いつでも集まることのできる同窓会ルームを』という理念のもと設立された」と大島さんは話す。三田倶楽部は会員を塾員に限定し、飲食とともに、塾員の交流や各種三田会の会合の場を、約50年間にわたって提供し続けている。

1974年、設立メンバーの尽力により、現在の帝国ホテル東京・本館での開設に至った。会員数はバブル期前後の80~90年代には1200名余に達し、入会待ちの必要もあったという。現在は約490名が在籍し、2024年には倶楽部発足から50周年を迎える。

三田倶楽部にはスポンサーが存在せず、会員の支払う年会費での完全自主運営がなされている。そのため、会員は年会費として12万円、入会時には入会金・預託金各10万円を支払う。支払いが可能な塾員が集まるということもあり、会員の年齢層は40代から60代の会員が中心だ。

自主運営が倶楽部のモットーのため、支配人やフロントおよび現役塾生がアルバイトとして働くフロアスタッフ以外は、会員のボランティアによって運営されている。三田倶楽部では、慶大にゆかりのある人物や各界の著名人を招聘する「木曜例会」が毎月第3木曜日に開催されており、23年2月には伊藤公平塾長、3月に河野太郎衆議院議員が講演を行った。またワインや日本酒、そして本やゴルフに至るまで、共通の趣味を楽しむ会員の集まりや、勉強会が多く開かれる。婚活パーティーも継続的に開催されており、塾員同士が結びつき、新たな交友関係を広げる場としての役割も担う。

三田倶楽部での会員交流の特徴として、熊谷さんは、「年齢に関係なく会員が平等なこと」と話す。年上の会員であっても「先輩」と呼ぶことはなく、フラットでアットホームな人間関係が築かれている。

提供される食事メニューにも工夫がある。シェフ手作りのピザやパスタ、ビーフカレーといったフードが注文できるほか、おつまみやワイン各種も豊富に用意されている。

長年にわたり帝国ホテル地下で営まれてきた三田倶楽部だが、24年から開始されるホテルの建て替えに伴い、23年秋に、銀座7丁目にある「GINZA  gCUBE」12階に移転し、リニューアルオープンする。畠山さんは、「会員からの惜しむ声もあるが、メニューや内装も一新し、若い世代の入会にも力を入れていきたい」と話した。

最後に、大島さんは塾生に対してこう語った。

「卒業して20年や30年という時間が経って、慶應に入って本当に良かったと思う日が必ず来る。そのときに倶楽部に入ってもらい、濃密かつ楽しい慶應のつながりを実感してもらえたらと思う」

東京三田倶楽部のロゴマーク。慶應義塾の校章であるペンマークをモチーフに、三田倶楽部の「M」をかたどっている

山口立理