〈コロナ禍、日吉商店街の救世主「ひようら君」〉SNSで飲食店情報を発信

新型コロナウイルスの世界的な流行によって、飲食店の経営悪化が報道されている。

もちろん、慶大日吉キャンパスのすぐそばにある日吉商店街「ひようら」でもそれは例外でない。

そこで立ち上がったのが「ひようら君」プロジェクトである。

「ひようら君」プロジェクトとは

「ひようら君」プロジェクトは日吉商店街の飲食店情報をツイッターとイ ンスタグラムで発信するプロジェクトで、今年4月から始まった。

現在掲載されている店舗数は60ほど。ひようらでテイクアウトをしているのは約70店舗なので、8割から9割を「ひようら君」で見ることができる。

運営しているのは、峯村開さん(理工学研究科1年)、武正隼さん(経4)、成瀬賢伸さん(政4)の3人。

プロジェクトが発足したきっかけは、峯村さんが1年前に作ったアプリと成瀬さんのアイデアだ。

峯村さんはプログラミングを活用し、ひようらの飲食店情報を紹介するLINE Botアプリを作った。そして今年4月に、日吉に住む成瀬さんがひようらを訪れた際、テイクアウトを行っている店舗があることを知り、峯村さんのアプリでテイクアウト情報を発信できるのではと考えた。

そうすることで、外出自粛による来店者数の減少に苦しむ日吉の飲食店を救いたいと思ったのだ。これらが基となって現在の「ひようら君」ができた。

「ひようら君」ツイッター
「ひようら君」インスタグラム

現在のひようらの状況

「売り上げが以前の50%ほどになったところもあれば、再開することができないところもある。また、閉店してしまったところもある」と武正さんは話す。

やはり、ひようらでも新型コロナの影響により、緊急事態宣言が解除された今も厳しい状況が続いているようだ。

手書きメッセージやひようらマップも掲載

SNSで投稿するにあたっては、実際に店舗へ電話をしたり、手書きの紹介メッセージをもらったりするなど、お店の方々の声を大事にしている。また、写真を投稿する際には質を重視し、どのようなデザインであれば注目されるかを意識している。例えば、インスタグラムではテンプレートを同じにしたり、白枠にしたりして統一感を出している。

「日吉カレーマップ」や「日吉洋食マップ」といった日吉商店街にある店舗を示したさまざまなマップも見ることができる。グーグルマップの位置情報を参考に、地図を見やすく、シンプルにして製作したオリジナルマップだ。

5月の終わりに開催された日吉商店街主催のテイクアウトイベントでは、このマップを400部ほど配布し、集客の手伝いをした。

ツイッターでのアン ケート調査も行っている。今までに「飲食店で食べることに抵抗があるか」や「テイクアウト需要について」などのテーマで調査された。

「飲食店で食べることに抵抗があるか」という調査では「抵抗がある」と回答した人が60%だった。一方で「テイクアウト需要について」の調査ではテイクアウトをする人としない人が半分ずつという調査結果になった。

峯村さんは「予想していたよりも多くの方がテイクアウトをしていることに気付き、驚いた」と話す。

「ひようら君」プロジェクトを行ってみて

プロジェクトを通して「ひようら」という言葉が次第に広まったことがうれしいと成瀬さんは言う。「ひようら」は塾生の間で当たり前のように使われている言葉だが、実は塾生以外には馴染みが薄い。「日吉(キャンパス)の裏」を表すため、日吉商店街では「ひようら」に抵抗感を持っている人も少なくない。

しかし、この活動をすることによって、塾生目線での「ひようら」を今まで以上に商店街の人に知ってもらえる。それまでは抵抗があった「ひようら」という言葉に、徐々に愛着を持ってもらえているのだ。

「ひようら君」の今後

今後の目標について、武正さんは「飲食店を利用することがそのお店の力になる。より多くの人々に、そのように実感してほしい。そのためにまず、常にひようらの最新情報を届け続ける。そしてその結果、売り上げが伸びるようにしていきたい。この1、2カ月の目標はひようらにある飲食店を全て紹介することだ」と語る。

また、成瀬さんは「飲食店に行って商品を買うことは、こうした状況の中でお店の手助けになる。これを多くの人に知ってもらいたい。秋学期になると、ひようらを訪れる人も多くなるので、『こんなお店があるんだ』ということを知ってもらえるようなアカウントでありたい。ぜひ、フォローしてほしいし、お店へ足を運んでもらいたい」とメッセージを送る。

 

皆さんも、ツイッターやインスタグラムで「ひようら君」を見て実際に日吉の飲食店を利用してみてはいかがだろうか。

 

(石田真理子)