オンラインメディアのBuzzFeed JapanとBeautyTech.jpのコラボイベント「からだのことを知ればもっとわたしが自由になる 〜フェムテックがもたらす新しい発想〜」が、10月9日にアルモニーソルーナ表参道で催された。この企画は、国連が女性の権利やエンパワーを促進するために定めた「10月11日・国際ガールズデー」に先立って行われ、総勢約60人もの人が集まった。

 

今回のイベントのテーマは、「フェムテック(不妊治療や生理などの女性のからだに関する問題をテクノロジーで解決する分野)」。ゲストは、モデルからアートディレクションまで多岐に渡って活動をしているはましゃかさんと、女性の性や体を取り巻く問題についてのwebメディア「ランドリーボックス」を開設した西本美沙さんの2人だ。 BuzzFeed Japanニュース編集長・小林明子さんとBeautyTech.jp編集長・矢野貴久子さんも加わり、4人でのトークショーが繰り広げられた。

トークショーの様子

トークショーでは、女子特有のあるあるエピソードなどがイラストとともに紹介され、会場に集まった多くの参加者が共感の声をあげた。その中でも、「男性の、女性の悩みに対する理解の乏しさ」というトピックについては、特に大きな支持が集まった。西本さんは「女性しか経験しない悩みは、男性にも関係があるといえる。理解することはもちろん、女性に対する思いやりの姿勢を持つことが大事だと思う」と話した。

 

このイベントに参加した男性は、約60人のうち2人だけであった。そのうちの1人は、エシカルファッションのブランドを経営している。参加のきっかけは、「ブランドを経営していく上で、女性特有の悩みやジェンダー問題についての知識を深めるため」と答える。実際に、来客に対しナプキンを無料でプレゼントするなど、女性の体や悩みに無知な多くの男性へのアプローチを行っているそうだ。

展示された「生理がきても気にしなくてもいいパンツ」

また、このイベントでは、女性だけではなくトランスジェンダーの人々についても議論がなされた。イベントに招待されていた株式会社Period社長の寺尾彩加さんは、「生理がきても気にしなくてもいいパンツ」を初めて日本に取り入れた経験について話した。このパンツは、女性の手間や憂鬱さをなくすとともに、トランスジェンダーの人が生理中にトイレを使用するときに役立つものだという。「日本は、このような商品を利用する文化が海外に比べて浸透していない」と話す。参加者の女性は、展示されていたパンツを見て「こうやって実際に商品を見て、生産者と話せると信頼できる」と感想を残した。

 

「女性のからだ特有の悩みについて、関心のある人が集まって交流する機会を提供したかった」。イベントを企画したBuzzFeed Japan PR部長の三品容子さんは、企画に至った理由についてこう話す。悩みは人それぞれ違うものであり、関心のある人だけが集まる場だからこそ、お互いに言いたいことを話したり、仲の良い友達には話しにくい相談をしたりすることができるという。

 

既存の固定観念にとらわれない新しいメディアとして日本に進出、数年で存在を確立させたBuzzFeed Japan。今回のようなイベントの企画を通じて、多くの人に「考える」きっかけを提供している。イベント後には、参加者がハッシュタグ「#わたしとからだ」をつけた形で、ソーシャルメディアにイベントの感想や意見を発信する取り組みがなされた。

(古嶋凛子)