慶大の歴史ある音楽サークル、ワグネル・ソサィエティーオーケストラ、男声合唱団、女声合唱団が5年に一度、一堂に会す合同演奏会が来月、開かれる。

オーケストラから学生責任者の松本千明さん(経3)、男声合唱団から学生責任者の飯泉暁斗さん(経2)、学生指揮者の野口遼太さん(商4)、女声合唱団から学生責任者の藤塚文華さん(経4)、学生指揮者の辻美貴子さん(経4)が、演奏会より一足先に集まった。


―合同演奏会に懸ける思いを聞かせて下さい。

野口「普段は別々の3団体が、合同演奏会の成功のため団結していく中で、指揮者として関わることができるのを誇りに思っています」

松本「今までは5年周期でオケの定期演奏会に合唱団が参加するというもので、オケが主体となって動いていました。しかし今回は独立した一つの演奏会になっており、三位一体となって取り組んでいます」


―運営をする立場で大変だったことを教えてください。

藤塚「練習する環境や運営のシステムなど、何から何まで団体ごとに違うので、意見がすれ違い、まとめるのが大変でした。自分の団だけのことを考えてはいられないので、気に懸けなければいけないことが多くなりました」

「他の2つの団体もそうですが、我々は12月に定期演奏会を控えています。例年ならば今の時期に定期演奏会の練習をしているのですが、今年はそれができません。練習の両立を考えることが大変でした」

松本「オケは200人近く所属しているので情報の共有が大変でした」


―自分の団を漢字一文字で表してください。

飯泉「『色』ですね。うちの団には本当に色々な人が集まります。また歌はその日のみんなの気分次第で変わっていくし、顔も変わります。絵具のように素直に音色が変わっていくことからこの漢字が浮かんできました」

「『各』です。私たちは正しい発声法を決めていないので、各々が身につけた発声で合わせています。型にはまった発声ではなく、自分たちが生まれ持った声で合唱を楽しんでいます」

松本「『統』です。たくさんのOB・OGの皆さんから受け継がれてきた伝統、また、皆で音楽を作りあげていく意志の統一からつけました」


「慶應義塾ワグネル・ソサィエティー 創立115周年記念演奏会」は11月4日、神奈川県川崎市のミューザ川崎シンフォニーホールで18時30分開演。演目は『慶應義塾塾歌』『若き血』『交響曲第9番 ニ短調 Op.125』など塾生にもお馴染みのメロディーが並ぶ。塾内屈指の実力を誇る3団体が力を合わせた5年に一度の祭典にぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。
(島田莉生)