ラグビー関東大学対抗戦が先月18日、熊谷ラグビー場で始まった。初戦は今まで1勝2敗の相手、筑波大。慶大は前半5分、CTB今成(経3)がトライを決め、試合に勢いをつけるが筑波もトライを決め同点に。慶大はゴール際で惜しいプレーもあったもののノックオンでチャンスをものにできず、13-13と同点で前半を終えた。続く後半、開始5分で相手ボールのスクラムからSH中鉢(経4)がトライを決め再びリードを奪うと、13分に再び今成がキックされたボールに飛びつきトライ。見事28-20で勝利を納めた。

2戦目は秩父宮ラグビー場で成蹊大との試合。成蹊大は今季からグループに昇格した勢いのあるチームで対戦数が少なく戦略が立てづらいため、自分たちのプレーの真価が問われる一戦となった。

前半2分、慶大は今成のトライで流れをうまくつかんだ。その後CTB堀越(総3)や中鉢らが連続してトライ。計8本のトライで前半を折り返す。後半は相手に1トライを許すも流れを崩さず5トライをとり、85-7で試合を終えた。試合後、金沢HCは記者らに対し「自分たちのスタイルを出したラグビーができたと思う」と語った。慶大ラグビーの「伝統」の低く入るタックルと、重視してきたブレイクダウンの2つは確かに結果として出ており、特にタックルミスでの失点がなかった点は夏の練習がしっかりと効果として出てきたといえる。

続く日体大戦はホームでの試合となり、絶対に負けられない一戦だ。慶大は前半1分にトライをとり流れをつかむとその後SO古田(医2)、No.8鈴木(環4)らの活躍で9トライをとり、55-0で試合に勝利した。この試合で特に目立ったのは、当たるときの縦へのスピードと強いフィジカルである。相手のタックルをずらしスピードのある突破ができるようになったのは、春と比べると大きな進歩といえる。ただ一方でボールのハンドリングミスが目立ち、チャンスで得点できない場面も見られた。

3戦を終えてここまで負けなしの慶大。タックル、ブレイクダウン、縦へのスピードやフィジカルなど、強化してきた部分が結果として出てきている。ただ次戦は絶対王者帝京大との戦い。王者にどれだけ食らいつくことができるのか、練習の真価が問われることになる。
(山本理恵子・野澤昂至)