福澤諭吉文明塾スタート 私塾の原点に立ち返る

 昨年、創立150年を迎えた慶應義塾。「150年を機に私塾の原点に立ち返ろう」。福澤諭吉が創設した当初の意志を甦らせようと開かれたのが福澤諭吉記念文明塾だ。未来貢献を果たす志ある者が集まり、これからの社会で求められるリーダーシップについて考える場を提供する。4月から第一期生54名が学び始めた。
 「何か質問はありますか」。この声を待ちわびていたかのように、いっせいに手が挙がる。
 4月30日、ストラテジック・リーダーシップと称し、富士ゼロックス株式会社元取締役会長の小林陽太郎氏を講師に迎えた授業が行われた。小林氏が自身の考えるリーダーシップについて説いた直後のことだ。   文明塾では、多様なプログラムが用意されている。今回のように、講師を招くこともあれば、グループに分かれてケーススタディを行うこともある。様々な授業が展開される中で、一貫して重んじられているは、「対話と議論」だ。講師が一方的に講義を行うことはなく、質疑応答や塾生同士の討論の時間が十分に設けられている。今回も、一通りの質問後、グループに分かれて議論。その上で小林氏をぐるりと囲み再び質疑応答。授業時間の半分は「対話と議論」にあてられている。
 また、文明塾で学ぶことができるのは、慶大の学生だけではない。他大学の学生や社会人にも門戸が開かれている。実際、第一期生の年齢も10代から60代までと幅広い。世代を越えた交流ができるという点でも、たいへん貴重な場だといえよう。
 これだけのプログラムが無料ということに改めて驚く。塾生が負担するのは運営費のみで、他の費用は義塾内外からの支援で賄われている。無料である分、自分のためだけに学ぶのではなく、将来社会に還元することが強く求められるという。
 授業後、ある塾生は、「講師の方が経験をもとに話をしてくれるから、説得力がある。リーダーに何が必要なのか文明塾で学び、実践に生かしたい」と話した。
 文明塾が目指す将来のリーダー像とはどのようなものなのか。創立150年記念事業室の澤藤正哉氏は「独立して生きる力と協力して生きる力をバランスよく持った人」という。「どのような状況下にあっても自分をもっており、世界の誰とでも協力できる人。将来、どのようなリーダーが求められるか明言するのは難しいが、少なくともこの二つの力は無駄にならないでしょう」
 6月中旬から第二期生の募集が始まる。出願にあたって、学部の成績等が問われることはなく、独自の出願書類と面接で選考される。詳しくは、文明塾の説明会に参加してほしい。
 従来の一方向的な教育サービスのやりとりではなく、学ぶ意欲をもつ者がともに教え合い、学び合う「半学半教」の精神を活かす文明塾。文明塾をきっかけに、義塾の原点に触れてみてはいかがだろうか。(西原舞)
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▼福澤諭吉記念文明塾・第二期生募集説明会
・5月16日 16~17時
三田キャンパス2B41
・5月20日 19~20時
三田キャンパス2B41
・5月25日 19~20時
三田キャンパス2B42
・6月6日 16~17時
三田キャンパス2B41
お問い合わせは以下のアドレスまで。
fbj@info.keio.ac.jp