2020年の東京オリンピックで、英国チームが横浜市・川崎市・慶應義塾大学を事前トレーニングキャンプに利用することを受け、今月8日、味の素ナショナルトレーニングセンターで覚書締結式が行われた。

東京オリンピック開催時に英国は、慶大日吉キャンパスの陸上競技場をはじめとした横浜市や川崎市にある運動施設を事前トレーニングに利用する予定だ。

締結式はハンマー投げオリンピックメダリスト室伏広治氏の司会で進行し、代表者によるあいさつや、覚書の締結が行われた。

英国オリンピック委員会のセバスチャン・コー委員長は「英国オリンピック委員会は複数回に及んだ視察の結果、事前キャンプ地をここに決定した。スポーツの価値を理解したこの地は英国チームにとって素晴らしいキャンプ地になるだろう。2020年の東京オリンピックを楽しみにしている」と挨拶をした。

慶大の清家篤塾長は、「日吉キャンパスがキャンプ地に使われることは大変光栄で、嬉しいことだ。オリンピックを通じ、スポーツが人々に与える力によって世界の平和と友好は増進される。東京オリンピックでは英国チームがそのことに貢献できることも祈念している」と語った。

また、覚書式後に行われた質疑応答の際に清家塾長は「英国選手が身近で練習することは慶應のアスリートにも良い影響を与えるだろう。期間中には大学選手の練習と英国選手の練習との間で調整は必要だが、英国選手には存分に施設を利用してほしい。今回の決定はスポーツによって世界平和や友情が導かれるオリンピックムーブメントを慶應全体が理解し、オリンピックの意義を確認する良い機会となるだろう」と話した。

締結式には2者のほかに日本オリンピック委員会の武田恆和会長、横浜市の林文子市長、川崎市の福田紀彦市長なども出席し、英国チーム招致に向けてのそれぞれの意気込みを示した。 



英国チームが参加する競技や宿泊施設などの具体的な決定は、今年行われるリオデジャネイロオリンピックの後となる。