喊声 10月号

「どうやって直すかわからないものを、壊し続けるのはやめてください」。1992年の地球サミットで、当時12歳だったセヴァン・スズキさんは言った。自国の経済発展ばかりを気にし、環境問題に目を向けなかった先進国首脳への一言だ

▼先日、アラスカで3万5000頭のセイウチが海岸を埋め尽くすというニュースがあった。そのうち36頭は死んでいたという。体を休めるための海氷が減少したことで行き場をなくし、海岸にたどり着いたそうだ。海氷の減少は温暖化が原因だと考えられている

▼近年の環境変化は著しい。19~20世紀で平均海面水位が17センチ上昇し、温室効果ガスは1970年以降、毎年1・3%ずつ増えている。すべてが温暖化によるものとは言い切れないが、この現状を受け止め、対策を講じる必要があることは明白だ

▼セヴァン・スズキさんは「言葉ではなく、行動で示してください」とスピーチを締めくくっている。話し合いに終始するのではなく、実行に移せるかどうか。1992年の地球サミットから22年たったが、具体的な成果はあまり現れていないように感じる。まずは、自然を壊す手をどうにかして止めたい。(矢野将行)