【記者の眼】前期総評(体育会)

【バスケ部】
インサイドが改善 早慶戦制し秋に弾み

新チームが発足して早くも4ヶ月が経過した。六大学、春季トーナメント、新人戦と大きな大会を戦い抜き、秋季リーグへの展望も見えてきた。

六大学では全勝で優勝を飾り、好発進した慶大。春季トーナメントでは15位とまずまずの結果に終わったが、「春の一番の目標」であった早慶戦では4年ぶりの白星を飾った。新人戦は惜しくも2回戦で拓大に敗れたが、後藤(環2)の成長がめざましく、今後に大きく期待が持てる試合内容だった。

主将・伊藤(環4)を中心にまとまる慶大バスケ部。昨年までは伊藤が積極的に得点を狙いに行くシーンが多く見られたが、今年は好アシストを連発している。それに支えられる形で他の選手がのびのびとプレイできているため、昨年より多彩な攻撃パターンが出来上がっている。

かねてよりインサイドが課題であったが、黒木(環3)のゴール下での動きがより洗練され、リバウンド奪取率が上がってきている。また、期待の新人トカチョフ(環1)がチームに加入し、インサイドが強化された。トカチョフはセンターとしてはまだ細いが、これから1部リーグで戦っていく上で、彼の身長とリバウンド力は慶大の大きな力となることだろう。

伊藤は秋季リーグに対し、「レベルの高い大学と試合をしていくことになるが、リバウンドやディフェンス、ルーズボールでは負けない」と熱く意気込みを語った。昨年度1部リーグに昇格し、今年はチャレンジャーとなる。身長的不利はあるものの、持ち味であるボールへの執着心を武器に、どこまで堅守速攻のレベルを高められるかというのが、今夏の大きな課題となる。(森俊貴)

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【ソッカ―部】
守備は安定も得点力不足浮き彫り

まず、特筆すべきは前期リーグ最少失点の守備についてだ。昨季終盤から継続してきた守備重視の戦術が浸透した結果と言える。「うちは挑戦者。全ての相手が格上のつもりで戦う」(須田監督)という言葉通り、終始相手の攻撃に耐え続け、カウンターから得点を奪うという「格下の戦法」で勝ち点を積み上げた。

この戦術がここまで結果を出せているのは、チーム全体のメンタル面での成長が大きい。昨季は前期開幕4連敗、後期開幕6連敗と、負けを引きずってしまう精神的な弱さがあった。しかし、今季は2連敗が1度のみと、敗戦からの切り替えがしっかりとできている印象だ。また、ピッチ上の選手全員が90分間いかなる状況でも徹底的にこの守備重視のサッカーを貫いており、チームとして迷いが無い。迷いから不安定な戦いを続けてしまった昨季の経験が生きている証拠だ。

しかし、課題も浮き彫りとなった。今季無失点での勝利は11試合中5試合。これは首位の専大に並ぶ数字であり、今の慶大の守備の安定感を物語っている。一方で、敗戦した早大戦、東国大戦は、いずれも0―2と無得点に終わっている。また引き分けた3試合の中でも流大戦、国士大戦の2試合はスコアレスドロー。得点力に不安を残した。前期最終戦後、須田監督は「チャンスが少なく、また、決定力も物足りなかった」と前期を振り返った。後期でのさらなる躍進に向け、「カウンターの形を確立していく必要がある」とも語った。

前線には高さのあるFW宮地(総2)、柔軟なテクニックを持つFW加瀬澤(総2)、圧倒的なスピードを誇るFW山本(政2)ら、個性の異なる選手が揃っている。それぞれの持ち味を最大限に生かした攻撃の形を作り上げていくことが鍵となる。

総理大臣杯への切符を逃し、目標である日本一に挑戦できるのはインカレのみとなった。何としてもリーグ戦を5位以内で終え、全国への出場権を得るためにはより一層のチームの底上げが必要となる。(木下俊亮)

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【ラグビー部】
個と組織の力の強化急務

昨年のグループ全勝優勝とは一転し、1勝4敗の5位で春季大会を終えた慶大。今年は帝京大や早大など強豪揃いであったが、昨年の公式戦に出場した選手も多く本来の調子とは言えない結果となっただろう。特に攻守の噛み合いが見られないことが挙げられる。

バックス陣は前半の得点を稼ぐも後半に失速する展開が目立った。石橋(環4)を筆頭に服部(総4)、浦野(政4)と早くから活躍し経験豊富な戦力が顔を並べるも、試合では不発気味だった。また主力が一時負傷でベンチやスタメンを外れることもあり連携が定まらず、思うような攻撃ができななかったことも不調の原因のひとつだろう。昨季の児玉のような攻撃のキーマンがいない今、いかに個々が連携し攻撃を行うかが焦点となる。

守備面では全試合を通して32トライを許し、特に後半の失点が3分の2を占める結果となった。これは流経大戦と大東大戦で如実に現れており、ともに後半で5トライ以上奪われている。後半は選手交代が頻繁に行われるため、選手間での意思疎通が一つの課題と言えるだろう。

また、唯一勝利した中大戦ではモールで押し込まれての失点が目立ち、力押しに対抗する個々のパワーも補強しなければならないだろう。

今大会を通し、対抗戦そして大学選手権へ向けて、慶大の課題は攻守ともに明白となった。いかにその課題を解決し、さらなるレベルアップを図ることができるか。監督就任2年目となる和田監督の手腕が試される。(坪崎駿悟)