もし自分の学部内に興味ある分野がなければ、視野を広げて他学部のゼミも検討してはどうだろうか。

「他学部入ゼミ」をした、経済学部の藤田康範ゼミに所属している出原由佳子さん(政3)。1、2年で政治の勉強をする中で、政治と密接に関わる経済の視点からの勉強にも興味を持ち、経済学部のゼミに入ることに決めたという。

他学部のゼミに入ったことで仲間が増え、自分の学部では学べない知識が周りから入ってきた、と充実したゼミ生活を送っている。「その分、学問的には知らないことばかりで最初は苦労することも多いが、先生がフォローしてくれるので大丈夫だった」と語る。

担当の藤田教授は、「これからの学問では、分野の統合による新しい社会的価値の創造が求められている」と話す。そうした考えから、背景の異なる人たちをゼミに受け入れてきた。近年では他学部からの志望者も増え、「経済学部の人たちと他学部の人たちとの間でシナジーが働いてお互いに志を高めあっているので、とても成果が出ていると感じています」と語った。

全塾ゼミナール委員会では、他学部入ゼミのサポートとして案内冊子の作成や同会HPでの情報提供、同会主催のゼミ説明会など、塾生に積極的な情報提供を行っている。

他学部生の受け入れに好意的な教授は多く、約9割のゼミは他学部生を受け付けているが、ゼミ生に対する他学部生の割合は約5%に留まっているのが現状だ。全塾ゼミナール委員会の入ゼミ担当統括の太江田智之さん(法3)はその要因に、周囲が基礎事項を学び終えている中で自身の知識が不足していることに対する不安や、学部間のカラーの違いが挙げられるという。太江田さんは「ゼミへの意識を変えることが目標。他学部も含めて広い視野で自分に合ったゼミを選んでもらえたら」と全塾ゼミナール委員会の展望も踏まえながら話してくれた。

全塾ゼミナール委員会のサポートを利用したり、直接興味のある研究会のゼミ生や教授に話を聞いてみたりしながら、他学部の研究会も含めた積極的なゼミ選びを行ってほしい。