演出家の大友啓史氏が先月13日、湘南藤沢キャンパスにおいて、藤田修平研究会主催講演会「私の映像制作論」で登壇した。
 大友氏は慶大法学部の卒業生で、昨年日本中に社会現象を起こした大河ドラマ「龍馬伝」や映画「ハゲタカ」など、数々のヒット作を生み出してきたNHKを代表する演出家である。
 本講義では「龍馬伝」のメイキング映像を題材に、制作にあたってのエピソードを披露した。
 大友氏は明治維新の立役者である坂本龍馬を大河ドラマで描くにあたって、「自分たち自身が龍馬になり、龍馬とともに変わっていく」ことをコンセプトに映像を制作していったという。
 幕末に生きた人物をより鮮明に映し出すために、テレビドラマでは常識となっているカット割りをやめ、最初から最後まで芝居を通して撮影するなど、これまでの大河ドラマの常識を一新した。
 講演の終盤には、大友氏が以前制作した1分ドラマの映像集の放映や学生との質疑応答が行われ、非常に充実した講義となった。