卒業が近づき、この春義塾を巣立つ塾生は大学生活を思い返していることだろう。卒業後も、大学を思い出し、大学とつながる一つの手段として、「慶應義塾公式グッズ」を紹介したい。

「もともとは、卒業生と大学を結ぶためのコミュニケーションツールとして公式グッズが作られたんです」グッズを企画・販売している慶應義塾社会・地域連携室の椎名絵里香さんはこう話す。慶應義塾創立150年に向けて、塾生や塾員と義塾間での対話のきっかけを作ろうと2005年から慶應義塾公式グッズが製作された。150年終了後の現在でも、協生館のコミュニケーション・プラザや三田キャンパス北館、大阪リバーサイドキャンパスに販売窓口がある他、オンラインショップや、入学式、卒業式、連合三田会等のイベントでたくさんのグッズが販売されている。

塾生からすれば少々値が張り、普段大学生活を送るなかでは「誰が買っているのだろう」と疑問に思うかもしれないが、贈答品としてグッズを購入し、塾生や塾員の親から子へ、また子から親へプレゼントすることがよくあるという。また、教職員が海外へ出張する際の土産物として、慶應の風呂敷や手ぬぐいが海外にも広がっている。

多種多様なグッズの中でも一番人気はネクタイで、卒業後の三田会などでは多くの塾員が慶應カラーのネクタイを締めるそうだ。普段使いが出来るようなトートバッグや、ボールペン、折り畳み傘なども人気がある。

ちなみに一番高価なものはというと、大倉陶園のティーカップセット(\40000)だが、たまにまとめ買いする方もいるというから驚きだ。また、特別受注販売で福澤諭吉の「千客万来」・「独立自尊迎新世紀」の複製書なども扱っており、その大きさには圧倒される。

現在、商品企画はグッズ販売の際に寄せられる購入者の声や、手紙やメールでの購入者の意見をもとに行われているが、今後はより幅広い層に使いやすいものを企画するため、塾生・塾員へのアンケート調査なども行っていきたいとの展望もあるそうだ。「よりみなさんに喜んで頂けるものを新しく発信していきたいと思っています。塾生のみなさんも気軽に覗いてみてください」と椎名さんはメッセージを送る。

日常生活ではなかなか買うタイミングがない大学の公式グッズだが、大学とのつながりを身近なもので感じ、強めていく手段として、一度は手に取ってみてほしい。

(池田尚美)