上杉隆氏が来塾 3・11以後の報道を語る



今月4日、公認団体のFront Runnerが主催する公開講演会「Create the Next Society! メディアと日本のこれから~私たちは真実を知らされているのか~」が日吉キャンパスJ29教室で行われ、フリージャーナリストの上杉隆氏が講演した。上杉氏は主に原発事故に関するこれまでの国内報道の問題点について語り、メディアと日本が今後どうあるべきかについても言及した。  (竹田あずさ)

本講演会は主催者であるFront Runnerのミッションの一つ「学生と社会を繋ぐ」の一環として開催された。

上杉氏は、東日本大震災以降、国内メディアの機能不全が露呈したと指摘。記者クラブ問題を始めとし、大手メディアを「原発被害に関して過小報道を続け、政府と共に原発の安全神話を作り出している」と批判した。

また、「福島原子力発電所内での現地取材を許可されなかったことに対し、海外メディアの記者やフリージャーナリストたちが抗議した」など、自身の経験やグローバルな視点も交えて、3月11日以降のメディア空間が以前にも増して不健全な状況にあると語った。

さらに上杉氏は、今後日本に起きるであろうこととして、健康被害の発生はもちろんのこと、海外において日本の農海産物などが高級ブランドから放射能廃棄物という扱いになると指摘。またその影響により、国外で生産を行う企業が増え、産業の空洞化に伴い税収が減り、財政危機に陥る可能性もあると予測した。

最後に「たとえ見たくないものであっても現実を直視し、そこから一歩踏み出すことが必要な時代が日本にもやってきた」とした上で、「放射能に向き合って生きていける日本を構築できるよう準備をしてほしい」と学生に対しメッセージを送った。

講演会終了後には質疑応答も行われた。上杉氏は準備の具体的な内容について聞かれ「現実を直視し放射能のレベルについて知ること、安全な食品を子供や女性に優先的に与えること、放射能飛散予報を出すこと、無料で癌の検査・治療ができる法律を作ること」と答える場面もあった。

また、情報の受け手のあるべき姿について聞かれ、あらゆるメディアに対してまず疑いの目を持つ「健全な懐疑主義」であることが重要だとした。

本講演会ではハッシュタグを用い、講演内容に関する意見などTwitter上のやりとりがリアルタイムで会場脇のスクリーンに上映された。

【Front Runner】

「Create the Next Society ! 」をVISIONに掲げ、「学生と社会を繋ぐ」、「未来の先導者を輩出する」という二つのMISSIONのもとに、様々な分野の第一線で活躍する社会人に話を聞き、次の世代が創る社会のあるべき姿を考え、学び、社会を先導するリーダーを輩出することを目的とする、慶應義塾大学の公認サークル。