真の障害者理解とは ブラインドサッカーでつながり深める

激しいプレーを見せる選手たち
激しいプレーを見せる選手たち
2011年10月22日、日吉キャンパス陸上競技場にて慶應義塾大学教養研究センター主催の「KEIOフットサルアドベンチャー2011 Imagine The Blind」が開催された。
本イベントの目的はブラインドサッカーを通じて「ダイバーシティ」、「身体知」を体験すること。「見えても見えなくても、僕らはサッカーでつながれる」をスローガンにフットサルとブラインドサッカーの融合を図っている。今回はフットサル大会である塾長杯との共催で、ブラインドサッカーのリーグ戦観戦、体験会が行われた。
ブラインドサッカーとは、視覚に障害を持った選手がプレーできるように考案されたサッカー。また、健常者と視覚障害者が同じフィールドでプレーができるユニバーサルスポーツでもある。プレーヤーはフットサルと同じようにキーパーを含めた5人で構成されるが、視力の差を公平にするため、ゴールキーパー以外は全員アイマスクを着用しなければならない。ボールの中には鈴が入っており、またゴール裏にはコーラーと呼ばれる指示役が置かれている。
リーグ戦観戦では、鈴の音、コーラーやキーパーの指示をもとに正確なプレーを見せる選手に対し、観戦者からは「想像してたよりも上手いし、激しい。途中から目が不自由だということを忘れていた」、「普通にレベルが高かった。サッカー上達のヒントさえもらえた」という声が聞こえた。
体験会には塾長杯参加の学生やブラインドサッカーに興味のある人たちが参加し、アイマスクをした状態での歩行・ランニング・パス・シュート、さらにはブラインドサッカー日本代表選手とのマッチアップまで経験した。参加者からは「怖かったけど周りの声のおかげで助けられた」や「見えないという暗闇の世界では非常に不安を感じた」という感想も。
イベント終了後、KEIOフットサルアドベンチャー実行委員長の野村智美氏は「健常者と視覚障害者が全く同じ条件で交流できるブラインドサッカーを通して、ゴールの喜びなど共感出来る機会を作りたかった。体験会の盛り上がりには手ごたえを感じた」とイベントの感想を語った。
また「情報の8割を担っている視覚が奪われた状態では、的確かつ積極的な言葉かけが必要とされるため、日常生活においての人との関わり合いのヒントがもらえる。それは、他者とのコミュニケーションの仕方であったり、心をオープンにすることだったりする。もっと多くの人につながる喜びを知ってもらいたい」と障害者理解の可能性を示唆する野村氏。
最後に、障害者理解の現状について「まだ障害者への特別視から、一方的な解釈が多い気がする。障害者理解について知っているという『認知レベル』から、見えないことのハンデだけでなく、彼らの可能性までを認識する『理解レベル』まで、多くの人が達することができるように来年以降も開催していきたい」と述べ、イベントを締めくくった。
(平島海)