慶應義塾は昨年11月27日未明、矢上キャンパスの研究室で義塾所有のパソコン25台などが盗難され、そのうち1台に学生、研究者の個人情報2009人分が記録されていたと4月18日の記者会見で明らかにした。犯人は特定されていない。

 義塾によると、盗まれた数理科学科の教員のパソコンの中に2000年度以降に在籍した学生1989名の氏名、学籍番号、出身校、研究者20名の氏名や所属などの個人情報が含まれていたという。なお、個人情報が外部に流失したという情報はなく、義塾は4月10日付で該当する学生、研究者に文書で謝罪した。

事件発生から公表まで5カ月近くかかったのは当該教員の個人情報に関する認識の甘さがあり、事実の確認に時間がかかったためだという。会見に出席した真壁利明・理工学部長は「原因や事実を確認の上、教員の処分も視野に入れている」と述べた。
義塾では防犯カメラの増設、個人情報取り扱いマニュアルの作成など、再発防止を図るという。