三田祭二日目の11月24日、ミニステージにてVS Performersが開催された。慶應義塾大学競技ダンス部、ジャグリングサークルI-Wing、アカペラサークルK.O.E.、奇術愛好会、Micheal Jackson Dance Clubの5つの団体がそれぞれ白と黒のチームに分かれて熱い対決を繰り広げた。本企画では観客に白と黒の2種類の棒状の風船が配られ、観客の投票を基に女優の真野恵里菜さんが特別審査員として勝者を決定した。

トップバッターを務めたのは創立76年と伝統のある慶應義塾大学競技ダンス部。白チームは男女ペアのラテンダンスを踊った。青い華やかなドレスをまとう女性とスーツを着て凛とした男性によるペアの、息の合ったキレのあるパフォーマンスに会場は歓声に包まれた。後攻の黒チームはモダンメドレーを踊った。黒色の衣装に統一されたパフォーマーのダイナミックな演技は、会場を大いに盛り上げた。この勝負は黒チームに軍配が上がった。この勝負を振り返って真野さんは「二つのチームの目が合うとバチバチするようなライバル心が印象的だった」と述べた。

 

慶應義塾大学競技ダンス部

次に登壇したのは、創部9年目の新進気鋭のジャグリングサークルI-Wing。白チームは『強風オールバック』のメロディーに合わせてパフォーマンスを披露した。一人目は白、黒、青の三色のコーンを掌の上で巧みに操ってみせた。二人目は球を使ったパフォーマンスを披露した。5個の球を物ともせず、落とさず投げ続ける。球を高く投げると会場からは驚きの声が上がった。黒チームは『踊』のメロディーに合わせた、二人のペアによるパフォーマンスを披露した。一人が球を投げ続けてもう一人がその中に球を投げ込む。二人の軽妙で息の合ったパフォーマンスは観客の視線を釘付けにした。2戦目は白チームの勝利。真野さんは白チームの、ミスがあってもミスと悟られないように切り替えていた様子を高く評価した。

 

ジャグリングサークルI-Wing

同点で迎えた3試合目はアカペラシンガーサークルK.O.E.の対決。白チームは4人の女性が映画『リトル・マーメイド』の挿入歌である『Part of Your World』を演奏した。繊細で心安らぐ歌声に会場は静まり返り演奏に聞き入っていた。黒チームは打って変わってBTSメドレーを演奏した。流行りの歌に乗せた巧みなビートボックスは観客の心を掴んでいたに違いない。この勝負は黒チームの勝利に終わった。

4試合目は奇術同好会による対決。かつてはアジアチャンピオンが在籍したこともある名門のサークルだ。白チームはカードやトランプを使わない、一見変わったマジックを披露したいと意気込んだ。この意気込み通りに白チームは審査員の真野さんのスマートフォンを使ったマジックを披露した。真野さんのスマートフォンを借り、自身のスマートフォンを真野さんに貸したマジシャンが3カウントを取ると手元からスマートフォンが消え、なんと真野さんのポケットにあった。これには真野さんも「どうして」と繰り返し、驚くばかりであった。後攻の黒チームは手元から何枚ものトランプが出したり持っていた1本の棒を3本に増やしたり、といった王道のマジックを披露した。両チームとも観客を大いに驚かせたが、黒チームに軍配が上がった。

 

奇術愛好会

VS Performersの最後を飾ったのはMicheal Jackson Dance Club。皆さんの見たことのないムーブを見せたいと意気込んだ白チームは、『Thriller』、『BAD』、『Billie Jean』の3曲を踊った。マイケルジャクソンの有名なパフォーマンスであるムーンウォークのように足を動かさず横に移動する動きは会場を沸かせた。黒チームは有名なパフォーマンスを通じてマイケルジャクソンの楽曲を楽しんでもらいたいと話し、『Beat it』、『Dangerous』、『Smooth Criminal』の3曲を踊った。定番のムーンウォークやゼログラビティは会場の心を鷲掴みにした。最後の勝負は黒チームが制した。マイケルジャクソンが好きだという真野さんは、「若い大学生がマイケルジャクソンを踊っていることが嬉しい」と話した。

 

Micheal Jackson Dance Club

黒チームの勝利となり、真野さんからトロフィーを授与された。印象に残ったパフォーマンスを聞かれて真野さんは「マイケルジャクソンクラブのダンサーが登壇したときに雰囲気が変わってプロ意識の高さを感じた」と答え、惜しまれながらも対決は幕を下ろした。

 

櫻井優悟