26日、慶應義塾は次期塾長記者会見を行い、伊藤公平氏(55)が5月28日に塾長に就任すると発表した。任期は4年であり、2025年5月27日まで塾長を務める。

伊藤次期塾長は会見の中で、「慶應義塾の伝統は半学半教だ。しかし教員が一方通行的に発信するオンライン授業では半学半教が達成できず、結果として、突然のキャンパス閉鎖によって行き場を失い学習意欲が削がれた大学生がいる」とし、「塾生たちの学びを深め、生涯の友を得るための方法論を構築していく必要がある」と述べた。

また、「学塾という観点から不可欠なのは『塾生のために』という視点。慶應義塾は、今の塾生たちが活躍する10年、20年、30年、40年、50年後の社会を想像し、新たな社会を造っていく先導者でなければなりません」と述べ、「良いことも、悪いことも、想定外のことも、皆で議論して豊かに想像したうえで、一歩も二歩も世間の先を行く義塾と社会を造っていきたいと思います」と抱負を語った。

伊藤公平氏は1989年、慶大理工学部計測工学科卒業後、カルフォルニア大学バークレー校M.S(修士号)、Ph.D.取得。慶大理工学部専任講師、助教授を経て、2007年より慶大理工学部教授。2017年から2019年まで慶大理工学部長・理工学研究所委員長を務めた。2020年からは日本学術会議会員も務める。専門領域は固体物理、量子コンピュータ、ナノテクノロジーなど。