4月1日、日吉記念館にて2021年度大学学部入学式が実施された。慶應義塾創立150年を記念して建て替えられた日吉記念館は、昨年の3月に竣工したものの、新型コロナウイルス感染症の影響で昨年度入学式を挙行することができなかった。2021年度新入生が新しい記念館で入学式を行う最初の塾生である。参加者は新入生と一部の関係者に限られ、当日の式典の様子はインターネットで動画配信された。

入り口で消毒・検温が実施されるなど、念入りな感染症対策が施された

午前の部は法学部、商学部、理工学部、別科・日本語研修過程、午後の部は文学部、経済学部、医学部、総合政策学部、環境情報学部、看護医療学部、薬学部が対象であった。

今年度春季入学者は、文学部837名、経済学部1129名、法学部1247名、商学部1025名、医学部110名、理工学部979名、総合政策学部401名、環境情報学部381名、看護医療学部102名、薬学部218名、別科・日本語研修課程33名、以上計6462名である。

 

長谷山彰慶應義塾長は式辞で、慶應の伝統を紹介したうえで、次のように新入生へお祝いの言葉を贈った。「皆さんに心がけていただきたいのは、常識に疑いを持ち、批判的な思考によって結論を導き出す姿勢です。今の状況にあって不安は大きいと思いますけれども、強い気持ちを持って学業に励んでください」

式辞を述べる長谷山彰塾長

続いて壇上者が紹介された。

午前の部では、教職員代表として泰岡顕治教授(理工学部教授)が、「私も新入生の皆さんと同じ気持ちで新しいことにチャレンジしていきたいと思います」と、午後の部では、桑原武夫教授(総合政策学部教授)が、「私たち教職員は皆さんの塾生としての成長を力の限りサポートさせていただきます」と祝辞を述べ、新入生の教育と研究を支援する姿勢を示した。

 

次に新入生代表の辞として、午前の部は山田哲義さん(理1)、午後の部は坂本龍之介さん(医1)が登壇。それぞれ慶應義塾創設者である福沢諭吉の理念を引用して、新入生代表入学の辞とした。

山田さんは「独立自尊と人間交際の心がけによって、相互に認め合い、協力して新たな分野にも勇気をもって取り組み、社会への貢献を目指します。私たち新入生一同はその覚悟と決意を胸に気品の宣言、知徳の模範たる先導者を目指して日々学ぶことをここに誓います」と高らかに宣言した。

坂本さんは、「我々が慶應義塾の一員となった今日、混迷を極める社会に、我々は周囲の動揺に惑わされることなく、世界の課題への立ち向かっていく気概をもたなくてはなりません。よって新入生一同はその覚悟と決意を胸に抱き、世界に人類に貢献する人材を目指していく所存であります」と述べ、真摯努力し、塾生の交流の中で人間力を高めていく目指すべき姿を誓った。

式では応援指導部による歓迎ムービーも上映された

式には卒業50年記念の1971年(昭和46年)112年三田会の会員が参列し、寄付目録の贈呈と鹿内德行代表による挨拶があった。鹿内代表は、自らが慶應義塾に感謝し、新入生に大事にしてほしいこととして「良き友」と「恩師」を挙げ、新入生を激励した。

最後に、感染症対策のため斉唱ではなく、慶應義塾塾歌の音声を流して閉式した。

閉式後、山田健太塾生代表による全塾協議会の案内や、指導部作成の歓迎ムービーが上映され、2021年度入学式は幕を閉じた。

高橋明日香

 

(写真=慶應義塾広報室提供)