《喊声》これが、私が共に生きてきた名字

「霊山」。あなたはこれが名字だとしたらなんと読むだろうか。幽霊の「霊」に「山」と書いて「よしやま」。これが、私が20年、共に生きてきた名字である。

電話口でこの名字の漢字を言うと信じてもらえず、聞き返される。ハンコは特注しなくてはならず、クリーニングから返ってくる服には決まって「吉山」のタグ。自己紹介すると必ず「珍しい名字ですね」、不気味そうに言われたこともある。幼い頃の私は自分の名字が嫌で嫌でしょうがなかった。

しかしいつからか私はこの名字が好きになった。私の「幽霊の『霊』に『山』との自己紹介に、「それって全身全霊の『霊』だね」と言ってくれた友人の一言がとても嬉しかった。この名字は、みんなと一緒が良かった昔の私に、人と違うのも良いかもしれないと思わせてくれた。

「もし霊山さんと出会ったら、私に教えてください」これは私の自己紹介の常套句だ。一度自己紹介すると、名前を覚えてもらうことのできる場合が多く、また初対面の人とも話のネタになるのが嬉しい。また珍しい名字の人と出会うと、勝手に仲間意識を感じる。

私の夢は同じ名字の人と出会うこと。私はまだ、家族以外で同じ名字の人に出会ったことがないのだ。名字由来netによると、「霊山(よしやま、たかやま、かみやま)」姓は全国に約110人いるようだ。東京都には約40人いるらしい。もし出会うことができたなら、お互いのこれまでの「霊山」にまつわるちょっと苦労した話、嬉しかった話を笑いながら話したい。私ではない「霊山」さんはどんな人生を歩んでいるのだろう。全国の霊山さん、ご連絡をお待ちしております。

(霊山美菜子)