活発な性格だ。学生時代は登山やスキーに興じる傍ら、国際政経研究会に所属。同会には先輩に現在の法学部教授で法学部長の国分良成教授、法学部小林良彰教授、後輩には同じく法学部の萩原能久教授がおり「いい刺激を受けた」と話す。米ミネソタ大留学の際は「毎週試験があった」程の忙しさにもかかわらず、暇があればヨットやテニスをしていた。現在は絵を描くことや模型いじり、馬術部長としてたまにする乗馬が趣味だという。「よく学び、よく遊べ」という口癖は、そうした自身の経験によるものが大きいようだ。「学生達は、学生時代の貴重さに気付いてほしい。皆卒業してからそれに気付くけど、後で気付いては遅い」

学部長の任期は2期目に入る。今後2年の取り組みについては、まず経済学部での授業を主専攻としつつ、他学部の授業を副専攻に出来るような枠組み作りを検討中だ。また、大学院間で既に単位互換の連携している東工大などの他大学と、さらに学部レベルでの連携の可能性を模索していくという。

一方で課題もある。三田キャンパスでの専門科目の「三本柱」として研究会(ゼミ)と並立する形で05年度からスタートしたPCPと研究プロジェクトは、学生に浸透しきれていないのが現状だ。「確かに伝統があるゼミとは違い、まだ定着しきれてはいない。だが、意欲ある学生が学部という枠組みの中でも自分のやりたいことを見出せるような環境作りはさらに進めたい」。

持ち前の活発さで、伝統を良い意味で打破できるか。挑戦は、さらに続いていく。

(羽原隆森)