東北復興に向けて課題を語る根本氏

2月23日にグローバルセキュリティ研究所主催のシンポジウム、「復興リーダー会議」が三田キャンパス北館ホールで開催された。会議には同会議の委員らのほか復興大臣の根本匠氏や参議院議員の鈴木寛氏らが出席。東北復興の現状と課題について講演、議論が行われた。 (小松美穂)

「東北を復旧ではなく復興へ」
グローバルセキュリティ研究所主催のシンポジウム、「復興リーダー会議」が2月23日に三田キャンパス北館ホールで行われた。復興リーダー会議とは、復興に携わるリーダーを輩出することを課題として、討論、研究を行うプロジェクトをいう。
今回のシンポジウムはいわばこれまで数回にわたって開催されてきた会議の成果報告となる。テーマを「震災2年目のチャレンジ~復興を風化させないために~」として復興の課題などについて話し合われた。現地で活躍する人と電話で対話するなど、さまざまな立場の人の意見を求め、議論は白熱した。
まず復興大臣である根本匠氏は、復興の現状と課題についての基調講演を行った。根本氏によれば、すでに現在の東北は高齢化やエネルギーの問題など、日本全体がこれから抱える問題に直面しているという。また、東北がこの問題を乗り越え復興を果たすことで、創造と可能性ある未来社会、「新しい東北」がつくりあげられるとも論じた。現在は総理の指示のもと、現場主義の徹底や復興予算の見直し、復興の加速化などに取り組んでいるという。
そして同会議の委員らによるグループごとの発表も行われた。発表ではそれぞれが独自の復興プランを提示し、復興への課題を共有。被災地における中間支援組織や釜石市の水産加工に着目した復興プロジェクト、震災の記憶が風化すること、さらには指定廃棄物や教育問題などを課題として挙げ、積極的な議論を展開した。最後に参議院議員である鈴木寛氏が総評を行い、発表は締めくくられた。
同会議の副委員長である田村次朗氏が閉会の挨拶を務めた。田村氏は「復旧ではなく復興へ。日本社会全体が震災のことを忘れ去ろうとしている中で、いかに復興を推進していくか。今後の復興に携わるリーダーを輩出し、支援していくことこそが必要である」と述べた。