大学・企業・政府の役割明確化訴える


国際産学官連携シンポジウム「大学はイノベーション創出のために何ができるか」が、先月28日に三田キャンパス北館ホールで開かれた。さらなる技術刷新のために、大学の基礎研究、企業の卓越研究、政府の予算配分など、各自明確な役割を持ち、歩み寄る必要性を説いた。

文部科学省の推し進める「大学等産学官連携自立化促進プログラム」が今年度、最終年度を迎えた。同シンポジウムは慶應義塾の事業担当者だけでなく、東大や米スタンフォード大の大学技術移転機構などからもスピーカーを招き、それぞれが総括と報告、今後の産学官提携の形を提示した。

経済産業省産業技術環境局大学提携推進課長の佐藤文一氏はイノベーションを生むために産学で英知を集約すべきと来賓あいさつで述べた。また企業は大学の果たす役割として、明確な目的を定めた基礎研究を期待していると論及した。

講演者である理工学部の小池康博教授も、「壁にぶち当たればより深く基礎研究を掘り下げるべき」と論じ、産学間で互いの立場を尊重した上で目的を定めていく姿勢を求めた。

そのほか、海外から招かれたスピーカーらが自国の産学提携の姿勢を提示するなど、国際色豊かなシンポジウムとなった。