文学部専攻徹底解説の第8回では、 美学美術史学専攻を取り上げる。今回は、弊会所属の文学部美学美術史学専攻2年・ 密山百合亜さんにアンケートを実施した。ぜひ参考にしてほしい。
――専攻の雰囲気は?
美学美術史専攻、通称「美美」は文学部の専攻の中でも募集人数が最も多く、男女比は女性が多めで賑やかな雰囲気である。また、2 年生において参加が原則必須の美美専攻見学会があり、美術館や博物館などを訪れ自身の美術分野について知識を深める機会が設けられる。鑑賞を通して美術について学びを深めることができる点において、美美専攻は魅力的である。
――どのような分野を学ぶのか?
美美は実技ではなく座学が中心であり、美学や美術史学、音楽学、アート・マネジメントといった美術関連の幅広い分野を学ぶことができる。芸術を学問として探求したいという知的好奇心を持つ学生にとって、美美は理想的な学習環境であるといえる。
――必修やカリキュラムは?
美学美術史専攻には、2 年生から 4 年生まで単位を取得しなければならない必須科目が 6 つある。「芸術研究基礎Ⅰ/Ⅱ」、「美学美術史原典講読Ⅰ/Ⅱ」、「美学美術史学演習Ⅰ/Ⅱ」、「美学美術史学研究会」、「美学概論」、そして「芸術学」である。なお、2 年生の際に「芸術研究基礎」と「美学美術史演習」の単位を落としてしまうと留年が確定してしまうため注意が必要である。2 年生は主に研究において必要である美術の基礎的知識(主に美術史)を学ぶ。3 年生以降は、ゼミに所属しながら自身の興味のある美術分野について研究をし、卒業論文の執筆に取り掛かる。
――この専攻の特性は?
美美の必修科目には 1 限に開講されている授業もあるため、怠惰な学生は注意が必要だろう。それを除けば、先ほども触れたように 2 年生は、主に研究において必要な基礎知識を学ぶことがメインであるため、単位取得はさほど大変ではないとされている。ただし、学芸員を目指す学生は土曜日に開講されている講義を受けなければならない場合もあるため、勉強の負担は少し大きくなるといえる。個人差はあるが、課題提出と授業の出席さえ怠らなければ、他の専攻と比較してみても美美は比較的楽な専攻であると感じる。
――何故この専攻を志望したのか?
元々美術史に興味があり、高校時代のイギリス短期留学で美術館や展覧会を訪れた経験から、大学では西洋美術史を専門的に学びたいと考えるようになった。美術史に関する書物を読む中で、慶應の美学美術史学専攻教授が書いたとある著書における、芸術研究へのアプローチが心に残り、文学部に入ったら必ず美美を専攻しようと決意していたため。
次回はフランス文学専攻を取り上げる。乞うご期待。