文学部専攻徹底解説の第5回では、哲学専攻を取り上げる。今回は、哲学専攻3年・Nさんにアンケートを実施した。ぜひ参考にしてほしい。
ーー専攻の雰囲気は?
個人主義的な雰囲気が強く、各個人が好きなことを好きなようにやっているイメージ。授業でもグループワークなどがないため友達同士楽しく学ぶという感じではないが、そこが哲学専攻のいいところと言えるかもしれない。
ーー人数や規模感は?
大体ひと学年60人ほどではないかと思う。そこまで人数が多くはないという肌感。
ーーどのような分野を学ぶのか?
古代から現代まで様々なことを学べるが、慶應の哲学は分析寄り(先生がほとんど分析系の為)
ーー必修やカリキュラムは?
二年次は原典講読が必修であり、落とすと即留年。さらに哲学概論I・II、西洋哲学倫理学史1・II、西洋哲学倫理学史II・IV、論理学入門1・Iの内6科日(12単位)が選択必修であり、2~4年で取り切れればよいが、基本的には2年次で取り切る人がほとんど。また、科学の哲学や心の哲学など様々あるうち 10科目(20単位)が選択必修となっている。
これは2~4年で分散させてとる人が多い。注意が必要なのは論理学系のもの。これはさきに挙げた論理学入門I・IIを履修していなければとることができない。ここで中級論理学などを取りたいと思っている人は二年次に論理学入門I・IIを履修しておくことを強く勧める。哲学倫理学特殊に関しては4科目(8単位)とる必要があり、選択必修よりも専門性が高まる。そのほか他専攻から24単位以上の取得が必須。ゼミに関しては「哲学研究会」という名前であり、3~4年で履修し、卒業論文の提出が卒業要件となる。
ーーこの専攻の特性は?
基本的に哲学は個人主義的な雰囲気があり、他専攻に比べたら緩いのかもしれない。(哲学専攻に1限の授業は存在しない。先生日く朝が苦手な生徒が多いため)ただ、自分自身の興味関心をある程度持っていないとレポートなどを書くのは大変。また原文を読むことも多いため、語学も手を抜けない。
ーーなぜこの専攻を志望したのか?
小さいころから生きているとはどういうことか、死は悪か、神は存在するかなどといったことに関心があり、高校二年生の時に「ここは今から倫理です。」というドラマを見て、慶應の哲学専攻で哲学倫理を学びたいと感じたため。また、一年次に取った授業で反出生主義を知り、生れてきてよかったと思えるためにはどのように生きるべきか、幸福な生とはいかなるものかを研究したいと思ったため。
ーーこの専攻に向いている人は?
ある程度自分自身の興味関心が分かっていると楽しめると思う。(ただ、GPAが低く入れる専攻がなかったという理由で入ってくる人も多いので、興味関心がなくとも心配はありませんが。)また、自明とされていることに対して「本当にそうなのか?」と疑いの目を持ち続けられる人や不変の真理を探究したい!という思いがある人は哲学に向いているのではないだろうかと思う。
次回は日本史学専攻を取り上げる。乞うご期待。
(金田悠汰)