連載第4回目となる今回は、新たな應援指導部のトップを務める、代表と副代表のお二人の対談だ。代表を務めるのは文学部4年、吹奏楽団所属のKさん、副代表を務めるのは環境情報学部4年、チアリーダー部所属のSさん。息のあった2人が、應援指導部に懸ける想いとは。

 

―はじめに他己紹介をお願いできますか。

K:Sさんは高校時代にチア部を立ち上げたほど、とにかく熱量に溢れています。一番應援指導部を愛しているのはSだと言えますし、好きという気持ちを表現できる人だなと感じています。

S:Kさんは應援指導部にとっても、私個人にとっても必要不可欠かそれ以上の存在。困難が立ちはだかったとしても、絶対に前に進もうとしてくれます。「部が新しく変わろうとするこのタイミングの代表がKでよかった、Kでなければここまで来られなかった」と思います。戦友のような存在で、彼女を支えていきたいと思う日々。他己紹介になっていないですかね(笑)。

 

―ありがとうございます。では新体制を発表するまでの間、どのような気持ちで進んでこられたのですか。

K:新体制の発表は應援指導部の概念を大きく変えることでもあったので、自分たちに自信がなくなることも多くありました。それでも「いつかこれが正解になる。報われる日が来ると信じるしかない」と鼓舞しあいながら頑張ってきたなと思います。上手くいく未来をこちらから迎えに行くつもりで。とにかく信じて進むようにしていました。

S;89年間の慶援指導部の歴史を自分たちの代で変えてしまうことにプレッシャーはありました。今までの應援指導部も大好きだったからこそ、不安がなかったわけではありません。ですが應援指導部は、応援するだけではなく、応援される団体でもあると考えています。私たちはもちろん応援させてもらいたいし、みなさんにも応援したいと思ってもらえる部になりたいという思いで発表を迎えました。

 

―発表に際して部の内部ではどのように考えてこられましたか。

K:とにかく前向きに。部員たちにも「應援指導部に入ってよかった」と思い続けてもらえるよう、私たちも頑張りたいです。状況や体制が変わっても、慶應が好き・慶應に何かしらの形で関わりたい、という気持ちは同じだから。

S:全く同じことを言おうとしていました。さすがKです(笑)。

―新体制の應援指導部のポイントを教えてください。

S:女性が前に出てきたという点に注目が集まりがちですが、現状ではまだスタートラインに立っただけに過ぎないと考えています。私たちは、「性別関係なく、やりたい人がやりたいことができる環境を作る」という理念を掲げています。いい応援を目的とするのであれば、チアリーダー部と吹奏楽部、そして学ランを来た男子部員で構成されるという応援部の固定概念に囚われる必要はないはずだからです。

S:應援指導部は、一言で言うとみんなにスポットライトが当たる部。性別や上下関係によって窮屈な思いをせず、熱量を持って手を上げる部員が必ず輝ける場所でありたいです。

 

―お二人がそこまで應援指導部に懸けられる、その理由を教えてください。

K:仲間がいるからですね。人が財産とも言われる應援指導部。大事にしたい人たちがたくさんいるからこそ、彼ら、彼女らを悲しませたくないし、幸せにしたい(笑)。 また、4年生最後の定期演奏会の幕裏で、「やり切ったね」と泣けるくらい頑張りたいと思っています。その光景で、一番一緒にいたい人がSですね。

S:私は単純に應援指導部が大好きだから。たくさんの思いが詰まっていて、その上気持ちのベクトルが他の人に向いている。そんな應援指導部の形が素敵だと感じています。今いる部員にも、これから入ってくる後輩にも、同じ思いを感じて欲しい。だから私たちがこの姿を守っていきたいという気持ちが強いです。そして、Kが代表だったから、そしてパートナーだったからここまで頑張れたと感じています。

 

―最後に、今後のお二人の目標を教えてください。

K:みなさんから、「いいね。応援したい」と思ってもらえる應援指導部にしたいです。そして慶應の学生に対しては、応援するだけでなく、慶應に入ってよかったと感じてもらえる機会を増やせるように有言実行していきたいです。部員に対しては、應援指導部に入ってよかったと思ってもらえる瞬間をたくさん作ることが目標です。

S:個人的には、應援指導部が大好き、という気持ちを最後まで大切に持ち続けることです。また應援指導部としては、部の内外ともに「人生に應援指導部がいてよかった」と思ってもらいたい。應援指導部は、体育会だけではなく慶應全体を応援する団体だと考えています。コロナ禍によってオンライン授業も増え、自分の通う大学を認識しにくくなっているのではないかと思います。だからこそ、「應援指導部がいるから慶應を感じられる、キャンパスライフを楽しめるね」と思ってもらえるような存在になれるよう努力していきたいです。

 

(松本沙羅)