
大学生活を送るにあたって、空きコマや長期休暇などの自由に使える時間をどのように有効活用するかが今後の人生に大きく響いてくる。今回は、そのような時間の活用方法のひとつとして、資格取得のために勉強に励んでいる塾生に話を聞いた。
今回取材に応じてもらったのは、法学部法律学科の伊良部瑞輝さん(法1)と高山敦成さん(法1)の2人だ。2人は法曹を目指すべく、司法試験予備試験(以下、予備試験という)の合格のため、日々試験対策に励んでいる。通常、法曹になるためには法科大学院の修了によって司法試験の受験資格を得る必要があるのだが、予備試験に合格してしまえば、それを修了せずとも司法試験を受験できる。
勉強方法とモチベーションの保ち方
令和6年の予備試験の合格率はわずか3.6パーセントにとどまり、非常に難易度が高い試験であることがうかがえる。加えて、法科大学院進学も視野に入れている塾生は、高いGPAを取るべく講義の単位取得のための勉強とも両立させる必要があるため、予備試験に対する受験者のスタンスにも個人差がある。実際、今回話を聞いた2人も、予備校の対策動画を活用してそれぞれの生活スタイルに合ったペースで試験勉強をしていた。高山さんは、「4限の講義が終わった後、休憩をはさみつつ21時ごろまで予備試験の講義動画を視聴しています。」と、伊良部さんは「空きコマや週末などの時間を利用して勉強しています。」とそれぞれ語った。しかし、高校時代に比べて自由に使える時間自体は増えたとはいえ、大学生であっても講義やサークル活動などとも両立する必要があるため、このようなルーティーンの継続はなかなか難しいだろう。それでも2人が勉強を続けるモチベーションの根底には、将来に対する明確な目的意識があった。高山さんは「大学に入る前から予備試験を受験するマインドができていたので、将来のためにやれることをやっておこうと思っています。」と、伊良部さんは「自分は弁護士になりたいという気持ちが強いので、それを叶えるためには試験勉強は絶対に通らなければならない道だと思っています。目標があるから頑張れます。」と語った。
慶應義塾独自の雰囲気
また、この慶應義塾大学内における予備試験受験に対する雰囲気もモチベーションを保つ後押しになっているという。慶應義塾の法科大学院は、令和6年の司法試験の合格者数、合格率ともに全国の法科大学院の中で第1位に輝くほどレベルが高く、合格への意欲が高い学生が多い環境であることがわかる。さらに、そのような環境のなかで法学部の塾生が多数在籍しているサークルが予備試験を受験する塾生の間のコミュニティ形成のきっかけを作っている。このような意欲のある仲間を見つけやすい雰囲気こそが、単に自由時間の多さだけにとどまらない、大学生活の中で資格勉強に取り組む利点の1つでもあるのだ。
自分の将来のために
法学部や経済学部などの塾生以外は、なかなか自分の学んでいる分野と資格取得が結びつかないことも多いだろう。しかし、まず自分の将来のなりたい姿を思い浮かべ、それを実現させるための第一歩として資格取得を目指すことはとても効率的である。時間は有限であるため、明確な目的意識を持って、今できることに精一杯取り組むべきだ。
参考文献
・アガルート ホームページ
・伊藤塾 ホームページ
(横山葵)