7回連続でweb公開する三田祭特集。第5回目は、2日目に西校舎ホールで開催される東西ご当地バトルの魅力をお伝えします。

場所:三田キャンパス西校舎ホール

日時:11月21日(日)14:10~15:00

今年の三田祭の目玉企画の一つである「東西ご当地バトル」。いったいどんな企画なのか、発案者である岡部栞奈さんに話を聞いた。

 

このイベントでは、東日本チームと西日本チームに分かれた、総勢10名の塾生が登場予定だ。東日本チームには、北海道をはじめ東北や北関東などの地域出身者が集結。一方の西日本チームは、中国や四国、南は九州・熊本まで西日本出身塾生が集う。

 

二チームは、勝負をかけて、主に三つの企画を行う予定だそうだ。一つ目は「地方あるある」。「遊びに行ける施設がイオンモールしかない」、「コンビニの駐車場が無駄に広い」といった地方あるあるをぶつけ合い、登場する塾生ら自身が審査員となってポイントを競う。二つ目の勝負は「方言クイズ」だ。事前に録音された方言が何を意味するのか推理するクイズが出題される。企画の間には、ミニコーナーが行われ、「東京力」を競うという、東京の難読地名・駅名当てなどのクイズが楽しめる。そして、三つ目は「地元プレゼン」だ。事前にパワーポイントで作成した地元についてのプレゼンテーションを各自が行い、その場にいる観客が投票アプリを使って優れたものを選ぶというものである。

 

この企画を発案するにあたっては、自身の経験も大きく反映されていると岡部さんは語る。長崎県出身であるという彼女は、海外の高校を卒業したのち上京したが、慣れないことの連続に戸惑うことも多かったという。「電車も分からないですし、親元も離れていて知り合いも全くいなかったので、不安はありました」

 

そんな中、今回の三田祭にかけたのがこの企画だ。「先輩方が企画に納得してくれなければ次に進めないので、立案には一番苦労しました」

 

彼女がこの企画のためにした努力は並大抵のものではなかった。立案を一人で行ったというだけの話では決してない。友人の友人や慶應ボーイコンテストの出演者など多岐にわたる分野の塾生にSNSのダイレクトメッセージで声をかけたほか、ポスターや広告動画の作成・撮影、さらには本番の台本書きやタイムキーパー・カンペの指示など、企画運営からあらゆる仕事をほぼ一人で行う。

 

これだけの苦労を乗り越えられたのは、地方出身の学生たちに届けたい思いがあったからだ。「地方から一人で出てきて思うように大学生活を送れていない学生にも、自分と同じ境遇の人がいるんだと分かってほしいです」

 

東日本チームと西日本チームのどちらに軍配が上がるのか。中立の立場であるとはいえ、岡部さんは西日本チームに期待を寄せているようだった。勝敗はどうあれ、地方出身塾生が持つ、離れて暮らしていても決してついえることのない地元愛がこのイベントでいかに輝くのか、心して見届けたい。

(松野本 知央)

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