慶應塾生新聞会 三田オフィス

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「ほっとしているという気持ちが強い」長谷山彰前塾長退任インタビュー

塾長就任時、本紙の取材に応じる長谷山前塾長

学生、教授そして塾長として過ごした慶應義塾は、長谷山前塾長にとってどのような存在でしょうか

慶應讃歌という歌の中に「第二の故郷三田の山」というフレーズが出てきます。私にとってはまさに慶應義塾は第二の故郷です。18歳のときに地方から上京して慶應義塾に入学して、それ以来ずっとさまざまな形で義塾と関わってきたわけです。学生生活、教員生活と長かったですから三田周辺の移り変わりはよく見ています。ですので、三田に来るとほっとする気持ちがあるし、周辺のお店の方も昔から知っている人も多いので、まさに慶應は私にとって第二の故郷といえると思いますね。

 

退任後はどのように過ごされる予定でしょうか。またどのように慶應に関わろうとお考えでしょうか

塾長を退任すると恐らく私も学事顧問という立場になると思います。ただし顧問、アドバイザーといっても口は出さず、一歩離れたところから見守っていく。そういう姿勢でいたいと思います。とはいえ相変わらず、六大学野球のシーズンになれば神宮球場には足を運ぶでしょうし、慣れ親しんだ三田の山の萬來舍や、旧図書館の1階にできたミュージアム・カフェなどには、ときどき行きたいなと思います。今はまだコロナ禍の制限でキャンパスが少し寂しいですが、いずれ皆さんの元気な声を聞けたらと思っています。

 

新塾長の伊藤公平氏に期待することをお教えください

新塾長の伊藤塾長には、ご自身の理系の発想を基本にしながらも、文理融合や分野の連携を強める、そういう研究を推進して総合大学としての慶應義塾の発展に力を尽くしてほしいと思っています。

伊藤さんは幼稚舎から慶應義塾にいた生粋の慶應人でありつつ、大学院はカリフォルニア大学バークレー校を出た国際派です。教育面では、慶應義塾一貫教育校を含めてご自身がよく慶應義塾の教育のあり方を知ってらっしゃるので、一貫教育としての小学校から大学・大学院までの塾生の学び、特に慶應義塾の自由でおおらかな気風の中での学びというものをもっと伸ばすよう、各学部長や研究科委員長、教学部門の皆さんと協力して、頑張っていただきたいと思っています。

 

最後にコロナ禍、アフターコロナで厳しい大学生活を送っていく塾生へメッセージをお願いします

塾生の皆さんには、大変苦しい状況ではありますが、何とか主体的にこの厳しい状況を乗り越える工夫をして頂きたいというふうに思っています。学生の立場では二つの工夫ができると思います。一つは、学生の仕事とは学問だということを忘れないことです。実は私はシャーロック・ホームズものが大好きですが、シャーロック・ホームズの物語の中に、「仕事は悲しみを癒す最良の薬だよ、ワトソンくん」とホームズが語るシーンがあるんですね。学生の仕事とは学問に打ち込むことです。この学問も、ただどんどん知識を得るにとどまるのではなく、考える学問、実証的に物事の真理や原則を明らかにする学問に打ち込んでもらいたいと思います。

工夫の二つ目は、慶應義塾でよく言われる独立自尊の精神を持ってほしいということです。学問を修め、そして経済的に自立し、世の中の流行に惑わされないで、何が正しいかを判断して行動する。これが独立自尊の精神を持った人材であり、慶應義塾がずっとそういう人材を作りたいと努力してきた目標です。誰かが手を差し伸べてくれるだろう、助けてくれるだろうと待っているのではなく、自ら他者に手を差し伸べる。そういう人間になってほしいと願っています。