春季大会第2戦、慶大はスクラムやフィジカルに定評がある強豪、拓大と対戦した。
 
序盤は慶大が大きくリード。前半2分にFB権正(法4)がトライを決めると、連続して得点を重ね、前半15分を迎える。しかしここで流れが大きく変わり、拓大に大量得点を許し、前半を33-36で折り返す。
 
後半も両校譲らぬ展開が続き、慶大はビハインドのままラスト5分を迎える。慶大の負けかと思われた中、佐藤武(経3)がペナルティからの素早いプレーでトライ。その後、中山(総3)もトライを決め、試合は57-55と慶大の勝利で終わった。
 
今試合では結果的に勝利したが、集中力に波があるという課題点も明らかとなった。序盤の高い集中力がミス防止や穴のないディフェンスに繋がり、流れを支配していた。しかし15分以降ミスが続き、集中力が低下してしまった。このような状況の予防として重要なのは、「規律」である。規律が意識されれば、前半の大量失点やミスの連発も予防できたであろう。
 
さらに、慶大らしい低いタックルも今回はあまりみられなかった。傾向として、状況が危機的になるほどタックルが高くなるため、メンタル面の強化も必要かもしれない。アタック面では、突破後のサポートをしっかりと行うことが今後の課題といえる。全体として、選手の成長が大きく感じられ、今後の活躍が楽しみになる試合であった。
 
続く第3戦、関東学院大との対戦は49-24で勝利を収めた。慶大のキックオフでスタートした前半。1分にチャージを決めたPR吉田(総4)のボールをPR細田(商4)がゴールラインまで運び、先制点を挙げる。続く5分には、FB金澤(商4)がトライを決め、リードを広げる。相手の攻撃に苦しむ場面もあったが、39分にSO古田(医3)の巧みなキックパスを受けた金澤がトライ。42分にも相手のミスを突きトライへとつなげ、28-5で前半を折り返す。
 
慶大のペースで試合が進んだ前半から一変し、後半は相手のオフェンスに苦戦する。防戦一方となった慶大は3トライを決められ28-24と追い込まれる。しかし、粘りをみせた慶大は38分のSH高野倉(商2)のトライを皮切りに勢いを取り戻し、2トライを決め49-24で試合を終えた。
 
見事3連勝を飾った慶大だが、ディフェンスに課題が残る一戦となった。
(高井日菜子)