唐沢寿明、中村勘三郎が対談 ~両俳優、役者を語る

 創立150年塾生スタッフによる講演会企画、「対談 中村勘三郎×唐沢寿明」が11月17日、三田キャンパス西校舎ホールで行われた。同企画は、塾生スタッフが様々な分野で活躍されている先導者を招き、公演会を行う「先導者シリーズ」の第3弾で、対談のテーマは、「伝え、創り、見せる」。進行役は義塾出身のTBSアナウンサー、長岡杏子氏が務めた。
(西原舞)

 
 西校舎ホール入口に中村勘三郎、唐沢寿明両氏が現れると、熱烈な歓声が沸き起こった。両氏は、来場者と握手を交わしながら、花道を進み、舞台へと向かった。   
 中村氏が花道に対し、「緊張した」と話すと、唐沢氏が「いや、僕は大丈夫でした」と答え、来場者の笑いを誘った。
 両氏の芸能活動を中心に、海外での経験や恋愛観まで、対談の内容は多岐にわたった。塾生に加え、両氏のファンの一般の方なども来場し、850人を超えるほどの盛況だった。
 中村勘三郎氏は、歌舞伎俳優。古典歌舞伎を再構成、新演出し上演するコクーン歌舞伎を初め、演出家の野田秀樹氏と組むなど、斬新な試みが注目されている。中村氏は、「初めて新しいことをやったのではなく、実は昔に戻している」と自身の歌舞伎への取組みを表現した。中村氏の曽祖父が、史上初めて英語で歌舞伎を上演した、というエピソードを挙げ、「(歌舞伎界は)昔は貪欲に新しいことに取り組む姿勢があった。また革命を起こしたい」と語り、挑戦し続ける姿勢を見せた。
 唐沢寿明氏は俳優。今までに「白い巨塔」を初めとする数々のテレビドラマ、映画、舞台に出演している。唐沢氏は、家を飛び出し、芸能活動を始めたばかりのころを「鏡の前で笑顔の練習ばかりしていた」と振り返った。「無理やり笑うのは難しいが、自分が変わらなければ世界は変わらない」と当時の苦労を語った。
 「役者としてどのように成長したか」と長岡氏に尋ねられると、中村氏は「稽古はしなければならないが、やはり経験がものを言う」と答えた。唐沢氏も同意し、「経験と人。自分と同じ発信者がどう見るかは大切」と付け加えた。
 対談後には、質疑応答の時間が設けられ、来場者から積極的に手が挙がった。学生時代の思い出や普段心掛けていること、緊張の克服法など、多様な質問が発せられた。
 両氏の軽妙な掛け合いに、最後まで笑いが絶えることなく、約2時間の対談は幕を閉じた。