《受験生応援特集》湯島天満宮で祈る人々―参拝客のそれぞれの想いとは

受験生応援特集

記録的な大寒波で日本全国が冷え込む中、今年も受験戦争が始まった。先月13日・14日に大学入試センター試験が行われたのを皮切りに今月25日の国公立大入試まで、受験生の明暗を分ける日々が1か月にわたって続く。中学・高校も先月下旬から入試が始まり、今月1日には東京・神奈川の中学入試が解禁された。そんな「受験の2月」を迎える前の最後の日曜日に、受験の神様が祀られている湯島天満宮(東京都文京区)を訪れた。

受験の神様といえば言わずもがな、平安時代を生きた菅原道真だ。道真公を祀る神社は天満宮と呼ばれており、福岡県の太宰府天満宮や京都府の北野天満宮が有名だ。ここ湯島天満宮は、亀戸天神社、谷保天満宮と合わせて関東三大天神と呼ばれており、特に1月中は多くの参拝客で賑わっている。受験戦争が激しくなった昭和50年代以降は、特に湯島天神の存在が注目され、年間100万人以上の参拝客が訪れている。

実際に湯島天満宮を歩いてみて、最も目に付くのは絵馬の数の多さだろう。絵馬の掛所には、何重にも絵馬が奉納されており、記念に写真を撮る参拝客も多い。若者を中心に人気のSNSであるInstagramで湯島天神を検索してみても、絵馬の写真の投稿が目立つ。

湯島を訪れた参拝客に感想を聞いたところ、「絵馬の数が多くてびっくりした」「こんなに絵馬があるのを見たのは初めて。来てよかった」と、やはり絵馬の数の多さに驚く人が多かった。

初詣もかねて、観光のために湯島天満宮を訪れた女性2人組も、参拝客や絵馬の数の多さに驚いていた。「この絵馬をみて、受験生のみんなには本当に頑張ってほしいと思いました。自分の息子が受験のときは、本人以上に緊張してしまって……親は神頼みをするくらいしかできませんが、それでもやれることはやろうと(笑)」

参拝客の多くは、親族のための代理参拝だったが、それ以外の参拝客もいた。中学校の教員をしている女性は、顧問の部活の3年生に鉛筆を買うために埼玉県から訪れたとのこと。「受験応援グッズを教室に持っていくだけでも、生徒は大喜びです。やっぱり最後は神頼みなんだなと」

なるほど、筆者にもそういった経験がある。10年近く前のことになるが、中学受験を前に「合格消しゴム」や「合格カイロ」のような「合格」の文字が入ったグッズを集めていた記憶がある。小中学生となると、まだ受験の重みを感じていないことも多いが、保護者や先生が様々な形で背中を押しながら、受験という大勝負に立ち向かっていくのだろう。

もちろん、受験生のほとんどは、神頼みをしたところで結果が変わるわけではないと考えているだろう。しかし、家族から渡される合格祈願のお守りには、それぞれの想いが込められている。受験に対する思いやこれまでの努力を完全に理解しあうことはできないが、合格が決まった瞬間には、その喜びを大切な人と存分に分かち合ってほしい。

(川津徹朗)

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