有価証券報告書や、会社四季報など就職活動では様々な企業情報に触れることだろう。その情報が記載されているデータベースの中には有料のものも存在する。しかし、塾生であればメディアセンターのデータベースナビから無料でそれらを利用することができる。

そこで、湘南藤沢メディアセンターの飯田尚子氏にデータベースの有益な使い方、メディアセンターとして行っている就活支援について聞いた。

 

企業情報のデータベースは本来、経済・経営分野向けに導入された。

 

本来、企業情報のデータベースは就活生向けに導入したわけではなく、経済分野、経営分野に関して学習・研究する学生、研究者向けに導入したものである。よって、企業情報のデータベースの中には就職活動に不向きなものも存在する。そのため、就職活動で利用する際は各種データベースの特徴を見極めて利用する必要がある。またデータベースの利用方法については、毎年秋に就活生向けに外部講師による利用案内セミナーを実施していて、現在は昨年の録画が公開されている。

KOSMOSでは画像のようにすると各種データベースが検索できる。

 

主な企業情報のデータベースはeol・日経テレコン・東洋経済デジタルコンテンツ・ライブラリーの3つ

 

飯田さんによると、就職活動に役立つデータベースは3つある。

1つ目はeolである。eolは国内企業の財務情報や有価証券報告書を収録したデータベースである。各種就活サイトに記載されていないような、企業が抱えている課題やリスクがわかるうえ、ライバル企業との業績比較も可能である。さらに、有価証券報告書の研究開発活動等の各項目で横断検索をかけることで、自分の研究内容や希望職種に沿った企業を探すことができる。

2つ目は日経テレコンである。日経テレコンはその名の通り日本経済新聞社が提供するデータベースである。日経各紙を読めるほか、記事検索で志望する企業の過去の記事を読むことができる。面接対策やエントリーシート作成で活用できるデータベースだろう。

3つ目は東洋経済デジタルコンテンツ・ライブラリーである。東洋経済新報社が提供する雑誌のほか、会社四季報や業界地図を読むことができる。業界地図では志望する企業の業界内での立ち位置や、ライバル企業と比較した強みを知ることができる。また、米国会社四季報も読めるため、外資系企業への就職を志望する就活生はぜひ活用してみるといいだろう。

 

データベース以外の支援

 

 

一部のメディアセンターでは業界分析や自己分析、エントリーシート、SPI、面接対策などに関する図書コレクションをそろえている。また、三田には各企業の歴史がわかる蔵書「会社史コレクション」があり、湘南藤沢には職業ガイドシリーズも所蔵しているという。たとえ読みたい本が所属キャンパスになくても、取寄せ可能な本も多いため、KOSMOSで検索してみるのがおすすめだ。図書以外にも、理工では院生スタッフへ就活相談ができるほか、ブログにて就活関連の記事を読むことができる。

 

就活生へのメッセージ

 

インタビューの最後に飯田氏は就活生へ向けてこう語った。

「就活では志望先の企業を知るということがまず重要であると思う。どのような事業を行っていて、どのような強みや課題があるのかを一通り調べたうえで書いた志望動機や自己PRはそうでないものと比べて伝わる熱量の差が段違いだ。メディアセンターが提供している就職関連のツールを利用できるのは塾生の特権である。ぜひツールを大いに活用して企業への理解を深めることへ役立ててほしい。」

 

上村健太